二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信200突破!/ ( No.236 )
日時: 2011/03/14 20:59
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: 7JhaLLwB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

[>Episode56

「「「スバルが!!!?」」」」

メリー号の船内で麦わらの一味の声。
雨が降り、全員がダイニングでデイルとサンジの報告を聞いていた。

「うん・・・チップがこの紙拾ってきて」
「あの時、確かにスバル、おかしかったわね・・・」

行動を共にしていたナミがふと思い出し、ルフィに言った。

「ああ。敵は全員倒したはずなのに、スバルの奴何かをにらんでた気がするぞ」

全員が困り果て、頭を痛めた。
そこでナミが提案する。

「ここのログは溜まるまで3日かかるみたいだし、明日また街に様子を見に行ったらどうかしら?」

うーん・・・というクルーのうなり声。

「すみません」

そこで声を上げたのはソラだった。
全員がソラへ視線を移す。

「あの・・・その“スバル”って方のフルネームは?」
「確か“グレイズ・スバル”よ」

ナミが答え、ソラが真剣な眼差しで皆に言った。

「その方はここの海軍駐在所の最高責任者グレイズ・ニーフォス大佐の娘さんです」
「「「ええっ!!?」」」

全員の驚きの声。
そこにソラが続ける。

「私は長い間ここに滞在していますが、彼女は一度この島から逃げ出しています。ニーフォス大佐はそれはもう血眼になって娘さんを探していました」
「じゃああの時スバルがにらんでたのは・・・!」
「ええ。きっとニーフォス大佐だと思います」

全員が驚きの色を隠せない。
あの海軍を好かないスバルが海軍大佐の娘だった事実。

「きっと彼女はあの場所にいたくない理由があったはずです。それであなたたちと行動を共にした・・・」
「じゃあ、あいつ海軍駐在所に?」

デイルが問う。

「100%とは言えませんが、その可能性が高いと思います」

ガンッという音が響く。
ルフィがテーブルを力いっぱい叩き、立ち上がった。

「じゃあスバルは・・・いたくもねぇところに1人でいるてことか?」
「そうです」

苦しそうに返事をするソラ。
きっとスバルの心境を思ってのことだろう。

「助けにいかねえと!!」

そのルフィの声にゾロ、サンジ、デイルが立ち上がる。

「やめてください!」

それを止めたのはソラだった。

「彼女がどうしてこの手紙をよこしたか、わからないんですか?ここの駐在所には猛者がたくさんいる。あなた達を傷つけたくないからです!!」
「おれたちが、傷つく?」
「当たり前です!まだ皆さんはグランドラインに入ったばっかりでしょう?適うわけがないです!!!」

ソラの声が響き、少し経ってからルフィが口を開いた。

「適わねぇなんてなんで戦ってもないのに分かるんだ?」
「それは・・・・・・でも彼女がどんな気持ちで・・・!「うるせえ!!!」

そして叫ぶルフィ。

「仲間捨ててこの先進めって?そんなんできるわけねえ!!」

ソラはハッとしたように口を閉じた。
そしてルフィの目を見つめた。

「・・・でもよぉ、まだスバルが本当にここにいたくないかはわからねえじゃねえか」

ウソップが恐る恐る口を開いた。
それにナミが頷く。

「もしかしたら、どうしても会いたい人がいたとかかもしれないわ」
「そんときはそんときだろ」

軽い口調で言ったのはデイル。
そして、ニイッと笑ってからまた話し始めた。

「今から行って直接スバルの口から、聞けばいい」

なあ、船長?と付け足しながらデイルはチップの頭をなでた。

「ああ!」
「レディ1人、放っていくわけにはいかねえ」
「お前はまたそれか」

サンジの言葉にゾロがつっかかり、またケンカが始まる。
デイルは珍しくそのケンカには入らず、ケラケラ笑いながらその様子を見ていた。

「さあ、行くぞお前ら!!」
「「「おう!!!」」」

戦闘要員である3人だけがはっきりと大きな声で答えた。