二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: -ONE PIECE- 月追う兎* \オリキャラ募集中!/ ( No.28 )
- 日時: 2010/12/24 18:21
- 名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
[>Episode12 -vs山賊-
チップはルフィの言葉に応え、すごいスピードでマールを追う。
そしてあっという間に追いついてしまった。
「くっそ・・・」
「まあまあ。取り合えず条件提案したいんだけど?」
少し困惑の色を見せた3人組に対してもやはりどこか軽い雰囲気のデイル。
「条件・・・だと??」
「ああ」
興味を示した相手に、デイルはニヤリと笑い返す。
「これ」
そう言ってデイルは首にかかるもう一本の紐。否、正しく言えば金色の鎖をひっぱり、またエプロンからなにかを取り出した。
「そりゃあ・・・」
「これは金の懐中時計。売りゃあかなりの金になるぜ?」
金色だが、そこまでピカピカと光るわけではないその懐中時計。
でも、その控えめな光が返って高級感をかもし出していた。
「それで?女を返せって言う条件はなしだぜ?」
「ああ。わかってる」
一番太った男が脂ぎったニキビ面を歪ませ、笑った。
「おれと戦え」
「「「!!!」」」
男たちは少し驚いた表情。
だがデイルは話を続ける。
「おれと戦って勝ったら、マール姉ちゃんも懐中時計もやるよ。もちろん、3人いっぺんにかかってきてもいいぜ?」
「こっちが・・・負けたら?」
少し背の低い気の弱そうな男が恐る恐る口を挟む。
「そりゃあ、マール姉ちゃんを返してもらう。懐中時計もおれのもんのまんまだ」
「ヒヒッ!!そりゃあいいぜ。飲んでやるよ、その条件」
最後に口を開いたのは一番痩せてガリガリ、出っ歯の男。
「そりゃどうも」
そしてデイルはもう一度貝笛を吹いた。
≪ピュルッ!!≫
「なんだあ?おい!デイル!!この犬なんも変わんねえぞ」
確かに、さっきから大きいままのチップに変化はない。
「変わったのは、こっち」
ルフィが顔をあげるとデイルは今までもっていなかったはずの槍のような武器を手に持っていた。
「おお!すげえ!!」
「はは、この笛は特別なんだ」
「いきなりおしゃべりとはいい根性してんなあ!!!」
出っ歯の男がデイルに襲い掛かった。
≪ヒュオッ≫
「なっ・・・!?」
風の吹く音とともにデイルの姿が消える。
「こっちだよ、ばーか」
声のするほうを見れば、空高くジャンプしたデイルの姿。
そのまま、男に槍の先を向ける。
「おるああああ!!!」
≪ビュンッ!! ザシュッ!≫
「ぐわっ!!」
男の肩めがけてデイルは急降下。
槍の先は狙い通り男の肩へ当たる。
「うぐっ・・・」
肩をやられ、地面に伏す男。
「弱っ・・・」
つまらなそうな声をこぼすデイル。
「お、おい!・・・ちっ、しょうがねえ!!おい、2人がかりで行くぞ!!」
「あ、ああ」
残りの2人が一気に襲い掛かる。
「うらっ!!」
デイルは槍のようなものを今度はなぎなたのように横に振る。
≪ビュウッ!!≫
すると凄まじい風が巻き起こる。
「うわあああ!!」
小柄な男は風に吹き飛ばされたが、重たい太った男はしりもちをついた程度で済んだ。
「ちくしょお・・・」
「もう降参しろよ。この出っ歯もかすり傷程度で済んでるはずだ。さっさとそいつつれてどっか行け。そして二度と戻ってくるな」
「ああ・・・そうするよ・・・」
デイルの足元に倒れる男の下へ、太った男が歩き出す。
その時、男の口の端が上がっているのをゾロは見逃さなかった。
「危ねえ!デイルっ!!」
「気づくのが遅えんだよっ!」
懐に隠したナイフをデイルに向けて振りかざす男。
だが、その時——
「ガルアアア!!!」
「うぐああ!!」
先ほどまでルフィの横でおとなしくおすわりしていたチップが男めがけて思いっきり体当たり。
「おお・・・今日はかなり飛んだなあ」
「バウ」
のんびりした声で間の抜けたことを言うデイル。
そして嬉しそうにデイルの元へ駆け寄るチップ。
「えらいえらい。今日はえさ増量だな」
「バウバウ!」
嬉しそうにデイルの頬に頭を擦り付けるチップは、大きさこそでかいが、可愛らしい姿だった。