二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎* \オリキャラ募集中!/ ( No.56 )
日時: 2011/01/13 21:26
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)

[>Episode22

「あっれ?」

デイルとルフィはナミたちと別れて市場を歩き始めた。
少し歩いたところでルフィが立ち止まる。

「ん?どーしたルフィ?」
「おめえあの犬は?」

あの犬、とはチップのことだろう。
そう踏んだデイルはルフィの手を取ってへらりと笑った。

「あいつ、ウソップになついちまってさ!だから船においてきたの。気にせず楽しもうぜ?」
「ああ!!そうだな!」

ニカッと笑ったルフィに満足したデイルはルフィの手を離し、横に並んで歩き出す。

2人の真横には路地裏の暗い道が見えた。
そこから2人の様子を見る1人の少女。
先ほどデイルが浜辺で見つけた少女だ。

「あれが・・・フォールビット・デイル」

少女は黒髪を揺らし、暗い路地裏の奥へと、姿を消した。




「なんか面白いもんないかなあ?」
「そうだなー、なんかないかな」

2人で似たようなことを繰り返し、ふらふらと市場を回る。
と、そのとき

≪ドンッ≫

「いって」
「きゃあ!!」

デイルが誰かにぶつかる。
相手は地面に尻餅をついたようだ。

「あ、ごめんな、立てるか?」

すぐにデイルが手を差し出す。
だが、その手は払われる。

「大丈夫よ」

少し怒ったような顔の女性。
漆黒の髪が美しく輝いているが、前髪がぱっつんでどこか幼さがある。

「わ、わるかったよ」
「なにをビクビクしているの?あなた男でしょう?」

デイルがもごもごしだしたのは、実はその彼女、デイル好みの美貌の持ち主だったのだ。

「おまえ、名前は?」
「なぜ聞くの?」
「別にいいだろ!」

ルフィはいつもと様子の違うデイルを不思議そうに眺めている。

「・・・デス・ベイリー」
「へえ・・・ベイリーね」

間抜け面のデイルを見てベイリーはため息をつく。

「あなたの名前も教えてくれるの?」
「あ、おれ?おれはフォールビット・デイル!!で、こいつが・・・」

デイルがルフィを紹介しようとしたときだった。

「知ってるわ。彼はモンキー・D・ルフィでしょう?」
「ええ!!!」
「何でおれのこと知ってんだあ?」

ベイリーは優しく微笑み、わけを話し出した。

「私、赤髪に会ったことがあるの」
「「シャンクスに!?」」

デイルとルフィの声が重なり、またベイリーがふふっと笑う。

「ええ。麦わら帽子であなたがルフィだってことが分かったわ。それに、デイル?」
「お、おう。おれ?」
「そう。あなたがフォールビット・デイルなのね」

2人は開いた口がふさがらないようだ。

「赤髪はあなたたち2人のことをそれは嬉しそうに話してくれたわ」
「ホントか!?」
「シャンクス元気なのか?」
「ええ。とても元気よ。あなたたちに会うことを楽しみにしてるわ」

だんだんとベイリーの笑顔に幼さがでてきた。
その笑顔はとても美しいものだった。