二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎* \オリキャラ募集中!/ ( No.57 )
日時: 2011/01/14 20:38
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)

[>Episode23

ルフィ、デイル、ベイリーは話をするために小さなカフェに入った。
ルフィはピラフ、デイルはショートケーキ、ベイリーはコーヒーを頼んだ。

「少々お待ちください」

ウェイターはまだ若い少年。14,5歳くらいだろうか。

「ええ」

ベイリーは少年に向かって優しい笑みをこぼした。
それに見とれていたデイルははっとしてルフィに少し怒った声で話し始めた。

「なあルフィ!」
「なんだあ?デイル」
「お前、あとでナミとゾロと昼飯食うのに今食っちゃっていいのかよ!?」

ルフィはうーんと小さくうなってから答えた。

「全然大丈夫だ!!全然おれは食えるからな!」
「まあ・・・そうだろうな」

うなだれるデイルにふふっとベイリーが笑う。

「赤髪の言ったとおりの子たちね」
「シャンクスはおれたちのことどんな風に言ってたんだよ」

デイルは口を尖らせ、ベイリーに問う。

「そうね・・・ルフィはね」
「おれ?」
「そう。あなたはとにかく元気でついてくるって言って聞かなかったって」
「そーだな!!」

ニシシと笑うルフィ。

「彼の腕のことも、聞いたわ。彼、あなたに期待してる」
「あったりめえだ!!おれは海賊王にぜってえなるんだ!」
「いいわね。あなたみたいな人が海賊王になったらきっと素敵だわ」

そこへ頼んだものが運ばれてくる。
ベイリーはコーヒーにミルクだけをいれ、スプーンで優しくかき混ぜた。

「デイルはいつも落ち着いてるようだけど、どこか抜けてて放っておけないっていってたわ」
「ええ・・・・・・」

シャンクスの自分に対する評価が“放っておけないやつ”という事実に少しだけショックを受けるデイル。

「あなたのお父さんはすばらしい人だった」
「へ?親父のこと知ってるのか!?」
「ええ。でもこれ以上教えることはできないわ」

ベイリーは表情を少し硬くして言った。

「彼のことは、あなたが自分で見つけなければいけないの。シャンクスや白ひげだって、あなたにあなたのお父さんのことは話さない」
「へえ・・・・・・」

それをどこか嬉しそうに聞くデイルにベイリーは疑問を感じた。

「あなた、どうしても知りたいと思わないの?」
「へ?」
「普通実の親のことなら、何をしてでも知りたいと思うはずだわ」

ベイリーの追及に驚いた様子のデイル。
だが、また彼特有のふわりとした笑顔で話し出す。

「おれさ、ルフィの仲間になったけど、これといった夢みたいな?そういうのなくてさ」

ショートケーキのイチゴを食べ、満足そうな表情を浮かべるデイル。

「でも、今できた」
「それは・・・?」
「親父のこと、自分でちゃんと見つけるんだ。ルフィたちと一緒にね」

デイルは隣にいるルフィに向かってウィンクを飛ばす。

「おう!!もちろんだ!おれは海賊王になって、おまえは父ちゃんを探すんだな!!」
「なんか変な感じするけど、だいたいそんな感じかな?」

またニシシと笑うルフィとヘラヘラ笑うデイル。
そんな2人を眺めたベイリーも満足げだ。

「あなた、やっぱりお母さんにそっくりだわ」
「よく言われんだ」
「素敵。私あなたのお母さんの性格にあこがれていたの」

コーヒーを一口飲み、デイルを見つめる眼差しはとても優しいものだった。

「私、あなたにもあこがれてしまうわ」
「ほんとかよ!?」

意味を履き違えたデイルは嬉しそうにケーキを平らげた。