二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: -ONE PIECE- 月追う兎* ( No.70 )
- 日時: 2011/01/22 20:45
- 名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
[>Episode27
「お待たせしました!!」
ウェイトレスはハンバーグを手に満面の笑みだ。
デイルの顔はさらに赤みを増す。
「どうぞ」
「おう・・・・・・」
目の前の置かれたハンバーグはさっきのものよりも大きく、ジュージューと音を立てておいしそうだった。
「いただきます・・・」
「どうぞ!!」
最後にごゆっくりと付け足してウェイトレスはまたキッチンへ戻る。
「うまそーだな!デイル!!おれにも一口くれよ!」
「うーん・・・」
デイルはせっかくのハンバーグを誰にも渡したくないと思ったが、先ほどルフィにはステーキをもらったばかりだ。
「一口だけな」
「おう!!」
「あんたらなんか双子みたいね」
ナミが微笑みながら言う。
ゾロがそれと同時に口の端を上げた。それはナミの意見に賛成したからであろう。
「そうかー?」
「まあ小さいころ一緒にいたし・・・そうなのかもな」
「ニシシ!!デイルがそうって言うならそうだな!」
そして、全員が料理を食べ終え、今度は4人全員で市場を回ることになった。
さっきのウェイトレスに勘定を払い、店から出ようとしたときだった。
「おい、そこの兄ちゃん」
いち早く振り向いたのはゾロ。その声に多少殺気を感じたのだろう。刀に手をかける。
「お前じゃねえ。そっちの黄色い髪の兄ちゃんだよ」
「おれ髪黄色いか?」
デイルは間の抜けた質問をナミにぶつける。
「黄色よ。ていうか黄色っぽいのはあんたしかいないわ」
「そっか!なんのようだ?」
デイルが言えば店の奥ほうの席からゆらりと人影。
「ケケッ・・・さっきのはすごかったぜえ?」
ガイコツを被り、黒いスーツを身にまとっている声の主。
その異様な格好。そして隠し切れない殺気とオーラ。
『・・・コイツやるな』
ゾロは直感でそう感じた。
「なんだ?その被り物。何でできてんだー?」
ルフィが興味を示し、ガイコツを被った男に近づく。
「おめえにゃ用はねえんだよなあ・・・それがよ!!!」
≪ガツッ!!!≫
ルフィが床にめり込んだかと思うとその男はデイルの目の前まで来ていた。
「ルフィッ!!!!」
ナミが慌ててルフィの元へ駆け寄る。
「あいつにゃ用はねえんだ。デイルっつったか?おめえ・・・」
「何してんだよてめえ、うちのキャプテンによお・・・」
デイルより先に闘争心をむき出しにしたのはもちろんゾロ。
「ったく・・・用はねえっていってんだろっ!!」
≪ヒュンッ!! ガキンッ!!!!≫
「へっ・・・そう簡単にやられやしねえよ」
「剣士か・・・さっきのやつよりはやるかもしれねえなあ・・・ケケケッ」
2人が今にも暴れだしそうなそのとき、デイルの軽い声が2人の間に割り込む。
「ちょいちょい、お二人さん。ここで暴れたらおれがさっき掃除した意味ねえじゃん?」
デイルは顔こそ笑ってはいるが、声には怒りが混ざっているようだ。
「それにね、ガイコツさん」
デイルはニッコリ笑い、ガイコツ男の後ろを指差す。
「うちのキャプテンなめんな?」
「なんだって?」
ガイコツ男・・・いや彼はジャック・スカルというのだが。
ジャックは自分の後ろに目をやる。
するとヘラヘラと笑う人物。それは先ほど自分が殴ったはずのルフィだ。
「おめえつええな!!」
「何っ!?・・・本気ではないがそれなりにダメージは与えたはず・・・!!」
「あー・・・うちのキャプテンゴムなんだわ」
デイルもヘラヘラと笑う。
だが、ジャックが振り向けばデイルの表情は引き締まる。
「で、用なら外で聞くが?」
「ケケッ・・・仲間までおもしれえじゃねえか・・・。わかった、外へ行こうぜえ?」