二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎* ( No.75 )
日時: 2011/01/22 21:20
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)

[>Episode29

「そうだぜえ?おれはあいつらのキャプテンなんだ」

ジャックは不適に笑う。
だがすぐにデイルが反論する。

「キャプテンならちゃんと教えてやれよ。食事してる人間の邪魔しちゃいけないことぐらい」
「へへっ・・・度胸のある奴だな」

そしてジャックは思い出したように言った。

「デイル・・・どっかで聞いたことあると思ったらおめえ“飛び兎”か?」
「ああそうだけど、何?」
「そうかなら話は早い」

スッ・・・とジャックが取り出したのは赤く染まったナイフ。

「なんだよ」
「おい飛び兎・・・これがなんで赤いか分かるか?」

ジャックはナイフを軽く振ってみせる。
その赤はただの赤ではなく、どちらかというと赤黒い。

「その色・・・まさか血?」
「ご名答。その通りさ。おれは敵を倒しまくってきた。その証拠がこれだ」

再び不適に笑うジャック。

「おれは、その笑いが嫌いだ」

そう言って貝笛を吹き、ジャンプ・ラッシュを取り出すデイル。

「嫌い?おれはお前、結構気に入ったけどなあ」
「そりゃあどうも!!!!」

言いながらデイルは走り出し、一気にジャックの目の前へ。
ジャンプ・ラッシュを振りかざし、思いっきり振り下ろした。
—だが切ったのは空気。ジャックの姿はない。

「ケケッ・・・こっちだぜ?」
「ちっ・・・・・・・・・!!」

ヒュンッとスカルナイフがデイルの頬を掠める。
後ろに思いっきり下がったデイル。少し上がった息を整えるためにひざをつく。

「やんじゃねえか・・・」
「だから、だてに海賊やってねえ」

デイルの頬には切り傷。赤い線が頬に描かれた。

「わりいなあ・・・母親似のその綺麗な顔、傷つけちまって」
「母ちゃんのことまで知ってんのかよ」
「そりゃあ、有名人だぜ?」

デイルはヘヘッと笑い、頬を伝った自分の血を舐め取った。

「じゃあ、今度こそ当てて見せるぜ?」
「ケケッ・・・おれにゃついてこれねえぜ?」

どうかな?と一言いい、今度はデイルが姿を消す。

「?・・・どこに行った」

30秒ほど経ってもデイルの姿は見えない。

「ここだぜ?ガイコツさん」
「何っ!?」

声がするのは真上。ジャックが見上げれば目の前にデイルの顔が。

「よいしょっと!!」
「ぐはっ!!」

デイルがぐるりと回り、思いっきりジャックに蹴りを食らわす。

「そうか、確かおめえ・・・ウサウサの実の能力者・・・」
「だったらなんだよ」

ジャックは蹴られた肩をかばいながらデイルをしっかり見据える。

「まだ未完成の実だが、少しずつその能力は暴かれてんだ。そのジャンプは強い脚力があるからできるんだ。おめえの蹴りは効くなあ・・・」
「うっせえな。蹴りだったらうちのぐるマユの方が効くぞ。多分」

デイルはジャンプ・ラッシュを再び構える。

「味気ねえかとおもったらこりゃあ大当たりだぜ!!」

今度はジャックから仕掛ける。
まっすぐデイルの前まで走りこんでくる。

「余裕だな・・・目の前からなんて」

デイルが横にジャンプ・ラッシュを振る。

「あたんねえなあ!」

ジャックはそれをよけ、デイルの背後へ回る。

「くそっ・・・!」
「うらあ!!デス・ナックル!!!!」

デイルが体を後ろへひねろうとするが、それは遅かった。
ジャックのデス・ナックルを背中に受けた。

「ぐわああああっ!!!」

デイルは有刺鉄線の張られた柵に、思いっきり吹き飛ばされた。

「おぉ・・・有刺鉄線があるなんてご丁寧なこった。ケケケ」

ズル・・・とデイルは地面に倒れた。