二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: -ONE PIECE- 月追う兎* ( No.91 )
日時: 2011/01/30 17:45
名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)

[>Episode33

「ったく・・・心配したじゃないの!!」
「や、それさっきも言っただろ」

デイルが言えばナミは反論する。

「それくらい心配したってこと!!!」
「ああいえばこういうな」
「全くだ」

デイルの言葉に賛同したゾロ。だが次の瞬間——

≪バキッ!!≫

「うるっさいわね!!」
「いでぇっ!!」

ナミが2人を思いっきりひっぱたいた。
ゾロは痛がり、声を上げたが・・・

「おい!!デイルうっ!」
「う・・・あぁ・・・」

ルフィの声にまぎれるうめき声。
それはデイルのものだった。先ほど受けたキズからドクドクと血が流れる。

「おい!やりすぎだぞ、ナミ!!」
「うるさいわね!だいたいデイルはあたしのことバカにしすぎよ!!」

ルフィとナミがぎゃあぎゃあ言い争いをしていると、ふいに声が聞こえた。

「なにしてるの!!!」
「「「????」」」

確かに聞こえたのは女の声。
だが辺りを見回しても誰もいない。

「・・・なんだあ?」
「だから、ケガ人になにしてるのよ!!!」

声のするほうを向くと、自然と視線は空へ。

「うわあっ!!」
「い゛!?」
「きゃあ!何なの!?」

空を見上げると、ルフィと同い年位の女の子が仁王立ち。

「何なのってこっちのセリフよ!!」

デイルは相変わらずうめき声をあげ、それどころではないようだ。

「なんでそんなとこにいんだー?」
「ふんっ・・・」

すると女の子はゆっくりと地面に降りてきた。
そしてデイルの元へ。

「ひどいケガ・・・」
「うぅ・・・」

くるりとナミへ向きを変える。

「何してるのよ!!いくらなんでもひどいわ!ここまですることないじゃない!!」
「なんか、勘違いしてるんじゃない・・・?」

おでこに怒りマークを浮かばせて、ナミが低い声で答える。

「勘違い・・・?」
「そうよ!コイツはあたしの仲間で、別にこのケガはあたしが負わせたわけじゃないの!!」
「たんこぶはお前がやったんだろ」
「うるさい!」

ゾロの言葉に目を尖らせるナミ。

「・・・全員この人の仲間なのね」
「ああ」
「じゃあ、そこの緑色の髪の人」
「ああ?おれか?」
「そう。あなた力がありそうだから、私の家までこの人を運んでくれる?」

そういって彼女は歩き始めた。

「おい、なんで・・・」
「いいから。手当てするわ。それにあなたの頭にあるたんこぶも」

そう言ってゾロの頭に出来たたんこぶを指差す。

「名前くらい、教えてもらえるかしら?」

少し不機嫌そうに言うナミ。

「そうね。私はマナ・ローリス。詳しいことは後。彼の手当てが先よ」

マナがそう言えばゾロは面倒くさそうにデイルを背負って歩き出す。
ルフィは面白そうな奴!と言って嬉しそうに後を追う。

「こいつらといるとため息ばっかだわ。ホント幸せ逃げまくりよ・・・」

そう言ってため息をついたナミもルフィたちに続いて歩き出した。