二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第一話 『出会い』 ( No.4 )
日時: 2010/12/20 19:36
名前: ヘカテー ◆5VZ6lwsTJw (ID: F35/ckfZ)

「アララギ博士、お待たせしました。」
三人を代表してチェレンが言う。
「よし、それでは説明を始めますね! ポケモンと出会う事でポケモン図鑑のページが埋まります。そして、ポケモンを捕まえることでさらに詳しい情報が得られるようになっているの! ということで、私が実際にポケモンを捕まえて見せまーす!」
そういうとアララギ博士は草むらへとはいって行った。
しばらくするとアララギ博士の目の前に茶色の体毛を見に纏うポケモン、ミネズミが出現した。
「GO! チラーミィ!」
博士の投げたボールからは白い体毛のチンチラポケモン、チラーミィが現れた。
『!』
ミネズミがチラーミィに襲いかかる——が、それは長い尾により阻まれてしまった。
「チラーミィ! スイープビンタ!」
博士の指示でチラーミィは尾を使い、ミネズミに連続攻撃をする。
ミネズミの体力は一気に持って行かれ、その場に倒れこんでしまった。
そこに博士は懐から出したモンスターボールをミネズミに投げる。
それに吸い込まれたミネズミは、ボールの中で少し暴れた後、大人しくなった。
「今の見てくれた? ポイントを解説するとまずポケモンの体力を減らすこと! 元気なポケモンは捕まえにくいのよね。」
その後、僕たちは博士からのレクチャーを受け、それなりの知識をつけた。
まぁ、チェレンは最初から知っていたような顔をしていたが。
「それでは君たちにモンスターボールをプレゼント!」
博士が僕に五個のモンスターボールをくれた。
トレーナーが同時に持つことができるポケモンは六匹まで。
ツタージャを合わせるとこのモンスターボールでポケモンを捕まえればピッタリ埋まる数だ。
「「「ありがとうございます!」」」
三人が声を合わせて言うと博士も嬉しそうな顔をした。
「では、私はこの先、カラクサタウンで待ってまーす!」
そういうと博士は足早にカラクサタウンへと向かっていった。
「じゃ、僕もカラクサタウンへ向かうよ。」
「うん! 賛成! それに隣町までいかないとモンスターボールも買えないし。」
その直後、ベルが何かを思いついたような顔をした。
「ちょっと待って! ねぇ、トウヤ、チェレン、あたし良い事思いついたんだけど……」
「さぁ、行こうか。博士も待っているだろうし。」
ベルの言葉を完全にスルーするチェレン。
「ちゃんと聞いてよ! なんなのよお、もう!?」
「で? なんなの? 良い事って?」
僕が聞くとベルはにっこりして言った。
「どれだけポケモンを捕まえたか皆で競争しようよ! 博士からもらったポケモンも含めて。たくさんポケモンを連れている人が勝ちね。」
競争という言葉を聞いた瞬間、チェレンはぴくりとした。
「なるほどね、そういうことなら面白いな。図鑑のページが埋まるから博士も喜ぶだろうし。」
「じゃ、やろうか。」
チェレンも僕も賛成した。
「あたしとミジュマルのコンビが一番に決まってるもん!」
「僕も負けないよ! 行くぞポカブ!」
二人は僕より一足先に行ってしまった。
「じゃ、僕らも行こうか。ツタージャ。」
『!』
ツタージャは大きくうなずき、僕らは歩き出した。

 しばらく歩くと前方に一匹のポケモンがいた。
「あれは……ヨーテリーか。」
図鑑を見て、種類を確認した僕は早速捕獲を試みる。
「行け! ツタージャ、体当たり!」
ヨーテリーは突然の不意打ちを避けることができず、直撃してしまい、かなりのダメージを受けた。
負けじとヨーテリーも体当たりで反撃するが力はツタージャの方が上だ。
「そろそろ良いかな……」
僕はモンスターボールを取り出し——
「いっけぇぇ! モンスターボール!」
投げたボールはヨーテリーに当たりそのヨーテリーは吸い込まれた。
ボールが地に着き、ガタガタと揺れる。
中でヨーテリーが暴れているのだろう。
グラッ
一回目の大きな振動、まだ油断はできない
グラッ……
二度目の先程より少し小さな揺れ。弱っている合図だ。
グラ……
三度目の小さな揺れ。行けるか——
カチッ!
モンスターボールにロックがかかる。捕獲成功のサインだ。
それを拾い上げ、見るとヨーテリーも此方を見ていた。
そのボールのスイッチを押し、ヨーテリーを外に出すと、甘えるように足にすり寄ってきた。
「よろしくな、ヨーテリー!」
『!』
新たな仲間、ヨーテリーと共に僕は次のポケモンを探した。

 しかし、ポケモンが見当たらない。
「仕方ない。カラクサに向かおう。」
カラクサタウンの入り口にはすでにベルとチェレンがいた。
全員捕まえたポケモンは一匹。つまりは同点だ。
「さて、じゃぁ行こうか。」
チェレンが言った。
同時に歩き出す三人。
僕は無意識に肩に乗るツタージャを撫でていた。
これから先、どんな出会いがあるのか。
この旅は必ずいい旅になる。
僕はそう思った。
『カラクサタウン』と書かれた看板の前を通り過ぎた時、心地よい風が吹いた。
まるで、初めてこの町に来るチェレン、ベル、そして僕に「いらっしゃい」と歓迎するかのように。