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−プロローグ−

「紫亜」
大好きなあの人が僕の名前を呼ぶ。
「これからは1人で、頑張るんだよ」
今日から僕の家族はバラバラになる。


まだ離れたくないよ
行かないで
1人は嫌だ
だって僕は—————


「あ、そうだ紫亜」
あの人は何かを思い出すと、僕の方を向いてくれた。
「くれぐれも、秘密がバレないようにね」
そう言って僕に背を向けて歩いていった。
最後にあの人が心配したのは、僕じゃない。
あの秘密のことだった。


それくらい、分かってるよ。
僕だってやれば出来るんだ。
だから、お願い。僕を見て—————。