二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■02 「Talking with Strange Boy」 ( No.3 )
日時: 2011/03/16 15:39
名前: 朱音 (ID: JYHezvC8)


 ■02 「Talking with Strange Boy」



 「………っ、たー………頭モロに打ったやんけ……って何やこれ! なんやものっそいベトベトなんやけど!!」

 セフィロスの持っていたポーション(飲料)を頭からぶっかけられた青年は、その冷たさによって目を覚ましたようだった。お笑いなどでよくある、気絶した奴にバケツの水をぶっかけて起こす原理である。
 「しかも何やシュワシュワゆうとるし、炭酸かこれ!」青年はタートルネックのセーターの首元を引っ張り、「甘っ! 甘い匂いめっちゃすんねんけど!」と半ば絶叫に近い声をあげた。

 あーもー最悪やー、と呟いた青年は、周りのラスボス10人集の存在にようやく気がついた。10人は穴が開きそうなほど凄まじい目力で青年を睨んでいる。

 「…………えー、と……?」

 「貴様、何者だ」

 皇帝が青年の喉元に杖を向ける。反射的に青年は立ち上がってホールドアップ。

 「あーもーすんません! 皆さんなんや機嫌悪いんも全部俺の責任です! もうホンマすみませんでした!!」

 「叫ぶな! 貴様は何者だと聞いているのだ!」

 キレた皇帝は青年の喉に杖を押し付ける。「ぐぇ」と変な声を出した青年は、今度は下を向いて申し訳なさげに、

 「……リオ、言います。旅人やらしてもらってます。自称やけど」

 胡散臭いやっちゃなー、とクジャは首を傾げる。

 「ねえ君、君はコスモスの戦士なのかい?」

 「コスモス……て、誰? 俺戦士とかちゃうし。戦うん怖いもん」

 どうやら、嘘は言ってなさそうだ。青年——リオの表情には、嘘をついたとき独特の違和感が全くない。
 皇帝は訝しげな顔のまま、リオの喉に押し付けていた杖を下ろす。

 「なぜ、貴方は空から——?」

 「ん? ああ、アレな。俺の能力。自分の意思とは関係なく、変なところに瞬間移動してまうねん」



 「「「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」」」



 ラスボス10人集の声が重なった。驚きでリオの肩が軽く跳ね上がる。

 「なんなのだその便利だか不便だかよく分からん能力は!」

 「や、あの、俺、不幸体質で」

 「不幸体質ですまんだろうそんなもの!」

 「ちょ、ねえ、聞いて」

 「貴様、まさかモンスターか?」

 「ちょいと、お姉さん」

 「便利ですとも」

 「便利ちゃうて。てか喋らして」

 「瞬間移動ならわしも出来るが」

 「張り合ってどないすんの。なぁ喋らして」

 「え? もしかしてテレポ?」
 
 「俺魔法使えらんて。ちょ、だから」

 「………………クラウド」

 「誰やそれ! 頼むから喋ら」

 「時は止められますがねぇ……」

 「なんの自慢や。ええから喋らし」

 「空は飛べるんだけど……」

 「せやからなんの自慢? 俺喋るから」

 「マジかよ! お前以外にすげぇんだな!!」

 「さいですか、あざーす………もうええ、喋らせろ!!」