二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!×トリップ【2話UP!】 ( No.4 )
日時: 2010/12/23 10:25
名前: リオ (ID: slitpE5G)

act.2

これは歪んだ物語。



‐‐‐

静けさの漂う其処に“彼女達”は居た。
どこを見ているのかわからない虚ろな瞳。

「嗚呼、来たのね」

一人が呟いた。

「…行くわよ」

ぐい。
もう一人が引っ張られた。

「…ん?う」

間抜けな声を漏らしてキョロキョロと辺りを見回したのは—彩音。
そう、此処はもと居た場所と何も変わらない、だけど全てが違うそんな世界。

「奏、は?」
「知らないわ。居なかったんだもの」

あんたのせいよ、と彩音を睨む香奈。
慌てて彩音が謝った。

がさり。

物音に反応し、二人が振り返った。

「—…あ」

小さな声を漏らす彩音と、驚く香奈。
其処に居たのは、紛れも無くあの小説の世界にいる少年だったのだから。





「…どこ」

一方、奏は夜の東京を彷徨っていた。
キャラに会うのもいいが、個人的には関わりたくなかった。

「…チッ、クソ彩音のやつ…」

初めて悪態を吐いた奏は着ていたパーカーのフードを被り、目立たないように歩き出した。
人ごみの中、一人きりで。




彩音は内心テンションが上がっていた。
目の前に居るの竜ヶ峰帝人だったのだから。

「…あ、の」

まじまじと見られているのが不思議なのか、帝人は彩音と香奈に声を掛ける。
流石に夜だ。学生三人ともなれば周りがじろじろと見ないわけがない。会社帰りのサラリーマンやコンパの二次会にでも行くのか、大学生達がこちらを見ている。
正直に言えば不快だった。

「…失礼します」

帝人は小さくお辞儀をして、去っていってしまう。
香奈は彩音に問い質した。

「家」
「…此処だって」

彩音が見せたのは、あの胡散臭いトリップやらの質問をしてきたサイトから送られてきた地図だった。




最悪—…
奏はそういうしかなかった。
彩音のせいでとんだことに巻き込まれたものだ。正直言ってかなり面倒だし、好感度も下がった。

「こんな時間に小学生がうろつくのは危ないよ」

小学生? 誰だ、そんな失礼なことをいう奴は。
奏は反論しようと声の主の方に振り向いた。

「…っ」

其処に立っていたのは紛れも無い、折原臨也。
嗚呼、もしかして—

彩 音 達 と 違 う 所 に 来 て し ま っ た の か 。


バラバラに砕け散る
 (二人と)(一人)