二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!×トリップ【2話UP!】 ( No.5 )
日時: 2010/12/23 11:09
名前: リオ (ID: slitpE5G)

act.3

「小学生じゃない」

ハッと我に返って折原臨也にそう言った。何故、誰も皆小学生と間違うのだろうか。童顔で幼児体型でも、流石にそれは傷ついた。
臨也はケラケラと笑って、「そうだろうねえ」と呟いた。

「君が黒狼奏ちゃんだね? 異世界からの—」

そう言い掛けた臨也を奏は人通りの少ないほうへと引っ張っていく。
こんな人が居る場所で、そんな事を言われても困ったものだ。

「その様子だと当たりみたいだね?」

薄ら笑いを貼り付けてそう訊ねる臨也に、奏は微かに頷いた。
—これも全部、彩音の所為だ!と奏は密かに憤った。





ふわあ、と彩音の口から感激のため息が漏れた。
目の前には二人で住むには大きすぎる家が有った。
手入れされた庭には色とりどりの花が咲き、玄関は広く、きっちりと整頓されてある。二階へと続く階段はそれ程急ではなく、段も低めに上りやすくなっていた。リビングには、それなりの大きさのテレビや、ふかふかの白いソファがある。机は正方形で椅子が六つ。カーペットは真っ白でふわふわしていた。クーラー暖房ももちろんあった。キッチンはそれなりに狭かったが、二人で料理を作るにはちょうどよかった。—その前に彩音は料理などできないのだが。

「部屋行こうよ!」

たたたっと階段を駆け上がれば四つの扉。一つは彩音、一つは香奈、一つは奏—…そしてもう一つは客用だろう。客用の部屋をのぞき、部屋はがらんとしていた。家具は自分で買えということか。

「お金は?」
「これ!」

彩音がメールと貯金通帳を見せた。

【ようこそデュラララ!!の世界へ。
 ただいまこの世界は1巻となっております。
 お金に関しては、毎月1人100万ずつ振り込ませていただきます。】

香奈は信じられない、という顔をしたが通帳に3が1つと0が六つ。
—奏がいないのだが。
まあ良いか、と香奈は呟いて「寝るわよ」と彩音を促した。
その日、二人はソファで寝た。





「で、君家は?」
「無い」

相変わらずの薄笑いを貼り付けたままの臨也に問われ、奏は即答した。

「そっか。じゃあおいでよ」
「やだ」
「無理」

子供みたいな会話を交わしながら臨也は軽々と奏を抱き上げる。
正直言って、奏は臨也が嫌いだったりする。
理由は、うざいから。

「離せ!」

そもそもキャラと関わるなんて聞いてない。関わるんならシズちゃんやセルティと関わらせろ! と奏は心の中で叫んだ。
抵抗も虚しく、奏はそのまま誘拐されることになったのだった。
その光景もまた、新宿の夜闇に消えていった。





チャットルーム

(こんばんはー、誰かいますー?)
【初めましてですねー】
(あ、そうですね。新入りです、よろしくお願いします)
【宜しくお願いしますー】
(そういえば今日、黒バイクがでたそうですね?)
【ええ。もしかして周さんも見ました?】
(いえ、見れませんでした。新宿に居たので…;)
【新宿ですかあ…】

[ばんはー。あ、新入りさんですかー?よろしくお願いしますー]
(よろしくお願いします、セットンさん。)
【ばんはー。そういえば黒バイク見ましたよ!】
[そうなんですか!よかったですね]
【凄い迫力でした…真っ黒で】
(あ、そろそろ落ちますー。お休みなさい)

——周さんが退室されました——

【おやすー。そろそろこちらも落ちますね】
[おやすー。]

——現在、チャットルームには誰もいません——