二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Dグレ×スレイヤーズ -光と闇と- ( No.1 )
日時: 2010/12/23 16:11
名前: ふうき ◆qZUCpA/gIM (ID: EHM01iHp)

第一夜.ゼロスが出てくると 必ず厄介ごとになる

街道を歩いていたあたしたちは、殺気に気づいて足を止めた。
──その数、ざっと二十ほど。
「気づいてるわよ。早く出てきたらどう?」
声を張り上げて叫ぶあたし。
「へへっ。身ぐるみ全部置いてくってんなら殺しはしないさ」
月並みな台詞を吐いて出てきたのは、小汚いレザーアーマを着込んだ、いかにも盗賊団のお頭ですといったふうの男だった。
その周りには、部下らしき者たちがあたしたちを囲むように出てくる。
火炎球ファイアーボール
……これぞ考えてる振りして呪文を唱える!
打ち出された火の玉は、囲っていた盗賊たちの一部を吹っ飛ばす。
「て、てめぇ!」
見るからにうろたえるお頭。
他の部下たちもうろたえている。
「てめぇら!やっちまえー!」
お頭の叫び声で乱闘が始まった。
……数では勝っているからって、押せるとは思うでない!
ひとまず、あたしは後ろに下がり呪文を唱える。
同時に、ガウリイは前に出る。
──はっきし言って、ガウリイだけで十分な気もするが。
などと考えていると、盗賊の一人があたしに向かって走ってきた。
しかーし!あたしの方が呪文を唱え終わるのが一瞬早かった。
「火炎球!」
光り輝く火の玉が盗賊に当たって弾ける。
光が収まると、目の前には伸びた盗賊たちとガウリイがいた。
「さーて」
あたしは盗賊団のお頭(だと思う)をふんじばる。
あたしが、お宝の位置を聞き出そうとしたときだった。
「あらあら。相変わらずですねぇ。リナさんは」
間の抜けた声。
あたしはこの声に聞き覚えがあった。
「ゼロス…」
背中が汗をかいているのが分かる。
ゼロスが何をしにきたのかは定かではないが、こちらに害のないことであるようにと思ってしまう。
──それほどまでに恐ろしい相手なのだ。
「、今回は危害を加えに来たわけではありません」
ゼロスは、あたしの心を読み取ったのか、付け加えたように話す。
「少しお願いがあるのですよ」
……こいつからのお願いが、果たして今まで害のないものであったろーか?
考えながら後ろを振り向くと、いつもと変わらぬ笑顔のゼロスが立っていた。
「ところで、お願いって何だ?」
いつの間に起きたのか、ガウリイがあたしの横に立っている。
そして、あたしとゼロスの顔を見比べ…
「リナ。こいつだれだ?」
ずこけけけっ
あたしとゼロスはおもいっきしずっこけた。
「あ、あんたねー!」
思わずあたしはガウリイに叫ぶ。
「ゼロスよ!ゼ・ロ・ス!」
「あぁ!そーかそーか」
ガウリイはポンッと手を叩く。
「思い出した!」
「はぁ…」
あたしは深いため息をついて、話題転換を試みる。
「で、何しにきたの?」
秘密だとかいいやがったら、ぶっ飛ばそうかなんて考えつつ、ゼロスに問う。
「貴方たちを別の世界に飛ばさせてください」
「は…っ?」
あまりのことに声を出せずにいるあたしたちを横目に、ゼロスは続ける。
「だーかーら。貴方たちが他の世界に行くんです」
──そもそも、この世界は混沌の海に突き立てられた杖の上に、丸の円が乗っているという。
そして、世界はいくつもあるそうなのだが…。
「この世界から他の世界へ飛ばすということ?」
怪訝の表情を浮かべて、あたしはゼロスに尋ねた。
無言で微笑むゼロス。
……そーゆーことかい。
全く状況の読めてないガウリイは、置いておいて話を進めることにしたあたし。
「悪いけど行く気はないから」
つっけどんに言い放ってあたしはすたすたと歩いていく。
「そーいうと思いましたよ。ということで強制的に送らせて頂きます」
次の瞬間。あたしとガウリイの足元に、なんとも言えない陣が現れた。
「コレも一応命令なんで」
表情を変えずにゼロスはいう。
そこであたしの意識は途絶えた。



〜第二夜予告!〜
気がつけば道端に倒れていたリナ!
目の前にはいかにも怪しげな建物。後ろには断崖絶壁。
リナの運命やいかに?!
ゼロスのバカやローなどと呟きつつ待て!