二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Dグレ×スレイヤーズ -光と闇と- ( No.2 )
日時: 2010/12/24 22:23
名前: ふうき ◆qZUCpA/gIM (ID: EHM01iHp)

第二夜.不思議な人が降ってきました

今日もいつもどおりの教団の朝──
──にはならなかった。
「ほわわわわわ?!!!」
ラボの一角で、ジョニーが変な声を出している。
始めはただ飲み物でも溢したのだろうと思ったのだが…
「あっ……あれ…」
尻餅をついたまま、ゴーレムが映し出す映像を指差している。
「どうした?ジョニー」
普段とは違うジョニーに、不審を抱いたほかのメンバーも、集まってきた。
しばらく、ジョニーを見ていたリーバーだったが、相変わらず反応は同じなので映像を見ると──
「なっ?!」
映像には、見たこともない服を着た二人組みが倒れていた。
「い、いきなり現れたんです!」
「ちょっと落ち着け」
「で、でも…」
「いいから」
リーバーは、驚くジョニーを落ち着かせ、映像を見る。
頭の中には様々な考えがめぐっていた。
……話を聞こうにも倒れているので話は聞けない。ましてや、中に入れてノアだったりしたら、それこそ大変なことになってしまう。
しばらく、考えを廻らせていると倒れていたうちの一人が顔を上げた。


「んっ…?」
あたしは土の香りとひんやりとした感触で目が覚めた。
顔を上げると目の前には、でっかい建物が一軒。
造りからして、なにかの施設であることは間違いないだろう。
──なんの施設かまでは分からないが。
「さーて」
土を払いながら立ち上がると、隣で倒れているガウリイが目に入った。
「………」
むぎゅっ!
思わず踏むあたし。
「あでででで?!!!」
変な悲鳴を上げて、ガウリイは目覚めた。
「お前なぁ…」
ジト目で見てくるガウリイを無視して、目の前の建物を見上げる。
釣られてガウリイも建物を見上げる。
「おい…」
彼は、静かに言葉をつむいだ。
「ここどこだ?」
「あんたねぇ!」
ガウリイの問いに一喝して、「竜破斬ドラグ・スレイブ」を唱え始める。
ゼロスに強制的に飛ばされたりと、なんやかんやでイライラしていたのだ。
この際、ガウリイにはストレス発散の手伝いでもしてもらおう──
「な?!リナ?!」
あたしの唱えている呪文に気づいたのか、ガウリイは必死の形相で止めに来た。
ちっ。
あたしは小さく舌打ちをする。
「で、これからどうするんだ?」
目の前の建物を見上げながら、ガウリイが呟いた。
──あたしたちがいるのは、断崖絶壁に立てられた建物の前のようなのだ。
ちなみに、浮遊レビテーションで降りていけばいいじゃないかという方もいるかもしれないが、高さが半端ないのだ。
「どーしましょーね」
そう言って、あたしは呪文を唱え始める。
隣でガウリイも剣を抜いた。
近づく気配は一つ。
かなりのスピードだ。
キィィィン
金属同士がぶつかる音がする。
気配は、ガウリイを標的としたようだ。
しかも、ガウリイとかなりのスピードで斬り結んでいる。
相当なてだれなのだろう。すぐさま呪文を唱えなおす。
あたしが唱えていた、「火炎球ファイアーボール」ではガウリイも巻き込んでしまうからだ。
──うしっ
「炎のフレア・アロー!!」
十数条の炎の矢がガウリイの目の前に現れる。
普通なら術者の目の前に現れるものなのだが、術の構成をしっかり理解していれば、こんな芸当も出来るのだ。
即座に後ろに飛ぶガウリイ。
「なっ?!」
あちらさんは、驚きの声を上げて炎に包まれた。
──もちろん、パワーダウンはしてある!
「チッ」
「なっ?!」
火の手が収まると、さっきとうって変わらぬ姿が出てくる。
なんちゅー回復力ぢゃ。
あたしは一度ひいて、また呪文を唱え始める。
ガウリイも一度下がってきている。
あちらさんが、足を踏み込んだ。
狙うはガウリイ!
キィンッ!と、金属音が鳴り響く。
二つの影が間合いを取り、また突っ込もうとしたときだった。
「まって!神田君!」
どこからか声が響いた。だが、気配はない。
しかし、その理由はすぐに分かった。
目の前に一つ目の生物が飛んできたのだ。
声はそこからしている。
しかし、この生物。気配がないなんて無機物かなんかか─?
「ゴメンね。今から使いをそちらに送るから」
また、声が聞こえた。
先ほど戦闘していた彼の姿も、もう見えない。
「ふむ。なかなかの去り際…」
ちいさく呟くあたし。
程なくして、迎えの方とゆーのが来た。



〜第三夜予告!〜
まぢで別世界…?
いきなり現れては去っていったゼロス!彼は何しに来たのだろーか?
ガウリイの間抜け〜!などと叫びつつ待て!