二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.270 )
- 日時: 2011/04/29 14:18
- 名前: 薔薇結晶 (ID: laaGvqHD)
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/MYBLOG/yblog.html
第84話 「薔薇の中の声」
ジュリア「全く、こんなくだらないプログラムを作る位なら油田を復活させる方法でも考えたらいいのにねぇ?」
クスクスと笑いながら自らのポジションに歩いていくジュリア。
ガルシルドの怒りを買うには十分すぎる言葉だった。
ガルシルド「小娘が…っ!!…ヘンクタッカー!!」
それを聞くと、ヘンクタッカーは皆に指示を出した。
<<ピ———ッッ>>
ボールを受け取ったミーシャは一気にトップスピードでイナズマジャパン陣内を切り裂いていく。
そして、MFを抜ききって、DFのラインで、
ミーシャ「“真・ペガサスショット”!!」
青い天馬はゴールへと一直線に向かっていく。
だが、DFの中には『絶対クイーン』ことジュリアがいる。
円堂「くっ…!」
ジュリア「円堂君っ、私が止めるわ!!」
円堂「え、ジュリア!?」
ジュリア「…っ“セントシールドV2”!!」
カッと、黄金の輝きを放つ聖なる盾が姿を現した。
“真・ペガサスショット”とぶつかる後、それを弾いた。
ディラン「ナイスブロック!ジュリア!」
ジュリア「えぇ…、っ!?」
ミーシャ「“薔薇吹雪”!」
<<ザアァァアアァア>>
予想上、一番嫌なパターンだった。
ゴール前での“薔薇吹雪”。
それは、GKである円堂の視界さえ塞いでしまうものとなってしまった。
マーク「まずい…!!」
豪炎寺「何がまずいんだ?」
マーク「此処からなら薔薇の花びらが舞っているだけのように見えるだろうが…。」
ディラン「あの中に居たら発動者の敵はほぼ何も見えないんだよ…!ユー達も知ってるはずさ…。」
不動「アレか…。」
鬼道「だが、ジュリア・クラウンは『相殺できるかもしれない』と言った。…信じてみよう。」
ジュリア「下手に動いてはいけないわ!!これは“パーフェクトゾーンプレス”にも近い様な必殺技なの!!」
吹雪「!」
フィールド上で、“パーフェクトゾーンプレス”の恐ろしさを1番良く分かっているのは間違いなく吹雪だった。
何故なら、彼は韓国戦のそれが原因で、イナズマジャパンを一時離れたのだから。
ジュリア「(この中に居るのは私を含めて7人!…だったら…!)“薔薇吹雪”!!」
薄い青と濃い蒼の花びらが舞う。
これで、相手と自分はほぼ同じ状況下に居るとみても問題ない。
“薔薇吹雪”を攻略するにあたって、何よりも大切なのは、眼ではなく耳だった。
視界を塞がれているなら、攻略方法はそれしかない。
仲間の声で、仲間が何処に居るかを把握し、敵の動きを聞き取る。
ジュリア「(止めてやる…!)」
—————お姉ちゃん!—————
ジュリア「ぇ…!?」
—————助けて…!怖いの、助けて!!—————
ジュリア「(…この声は…)ミーシャ…!」
—————私、今は何もできないの…!!
———RHプログラムに、体を取られてるの…!
——————お願い!助けて…!!!—————
ジュリア「えぇ、きっと…!!」
足音が聞こえる。右から1人分。左から2人分。前から2人分、後ろから1人分。
そして、足音ではない音が、1つ聴こえた。
——聴こえた!ボールの位置だわ!!
<<ダッッ>>
“薔薇吹雪”の中で、彼女は走った。
視界を遮られる中で、彼女はボールの元に駆けた。
——きっと…彼らなら、このボールを…!!
ボールを奪い、一心に願うようにして。
——ゴールに入れてくれる!!
ボールを蹴った。
ザンッ、と、何かが何かを切り裂く音がした。
<<トォンッ>>
ボールだった。ボールが花びらを切り裂く音だった。
受け取ったのは、マークだった。
マーク「ジュリア…、ミーシャ…!」
ボールから、彼女たちの声が聞こえた気がした。
相手ゴールに向き直って、ディランを呼んだ。
「「“ユニコーンブースト”ッッ!!!」」
マーク「…チェインしろ!!イナズマジャパンっ!!」
豪炎寺「あぁ!!!」
「「「“グランドファイア”ァァ!!!」
<<バシュゥウウゥゥンッ>>
ゴールに突き刺さった音がした。
それと同時に、2つの“薔薇吹雪”も解けて、ホイッスルが聞こえた。
3-2。
ジュリア「…ぁ、…勝ったのね…、勝ったのね…!!」
ミーシャ「おね…ちゃ…。」
ジュリア「ミーシャ!!」
崩れそうになったミーシャを抱き上げる。
マーク「ミーシャ、大丈夫か!?」
ミーシャ「おにぃ…ちゃん……?」
マーク「そうだ、分かるか?」
ミーシャ「ぅ…ん…。」
ミーシャをマークに預け、女王はガルシルドに向き直った。
第84話 終わり