二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.272 )
日時: 2011/04/29 16:05
名前: 薔薇結晶 (ID: laaGvqHD)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/gran_fenrir/MYBLOG/yblog.html

第86話 「ロココ」




翌日。

宿舎の扉を思いっきり手で押して、大きく開いた。
ゴッと、風が吹き込む。


「あっ、居た居た!ジュリア・クラウン!」

ジュリア「え?…って、貴方は…。」
ロココ「もしかして僕の名前覚えてない?」
ジュリア「まさか。ロココ・ウルパ。コトアール代表チーム『リトル・ギガント』のキャプテン。GK。」
ロココ「正解!」
ジュリア「一体何の様かしら。」
ロココ「僕は君とお話ししたくてね。いいかな?」
ジュリア「…構わないわ。何処で話しましょうか。」
ロココ「う〜ん、じゃぁ、僕たちのコトアールエリアでいいかな?」
ジュリア「いいわ。行きましょう。」



コトアール行きのバスに乗る2人。

ジュリア「そう言えば、どうして私とお話ししたいのかしら?」
ロココ「そりゃ、君は世界の『絶対クイーン』だからね。」
ジュリア「…それだけ?」
ロココ「昨日、君はガルシルドに技術についての説教をしていたね。僕は、アレがとても感動的だったんだ。」
ジュリア「…。」
ロココ「で、君の本当の強さが知りたいな、って思った。」
ジュリア「本当の強さ?」
ロココ「昨日の試合、君の全部が出ていない様な気がして。」
ジュリア「私の…全部…?」
ロココ「そう、君の全部。見てて物足りなかったんだ。イナズマジャパン戦の時はそんなものじゃなかったけど。」
ジュリア「…つまり、私は何かに縛られていた、って言いたいの?」
ロココ「すごい!まさにその通りだよ!」

ロココの言葉に、何かが動いた気がした。
彼女の、何かが。


その何かまでは、全然分からなかった。












ロココ「着いた!此処が僕たちのエリアだよ!」
ジュリア「昨日来たから知ってるわ。」
ロココ「何かあっさり返すね、君。」

あはは、と苦笑いするロココ。

ジュリア「何か…貴方って中身が子供なのか大人なのか分からないわね。」
ロココ「何ソレ。でも君がまだ子供って言うなら僕なんてまだ幼稚園児だと思うよ。」
ジュリア「私が大人なら?」
ロココ「普通に子供かな?…ねぇ、PK対決やろうよ!」
ジュリア「何をいきなり…。」
ロココ「だから、PK対決!」
ジュリア「…分かったわ。」

ロココの実力に自分が通じるかどうか、確かめてみたい。
ただ純粋に、彼女はそれが知りたかったのだろう、OKを出した。



ロココ「遠慮なく必殺技使ってね!」
ジュリア「そのつもりよ。」

何を打つべきか、ジュリアはフル回転させた。
とりあえず、これだと思うと、ボールを蹴った。


「“ブルーローズ・ブレイク”!!」

花弁が舞う、羽が舞う。
蹴った後に、ボールを眼で追った。

ロココは、必殺技も無しに止める気らしい。
舐められたものね、とジュリアは思った。

だが


ロココ「うおぉぉおおぉ!!」

蒼い光を散らしながら、“ブルーローズ・ブレイク”は威力を落としていく。
そして、止めた。

ジュリア「なっ…!」
ロココ「っは〜、すごいシュートだ…。あとちょっとで入れられるところだった。」


そして彼女はとりあえずシュートを打ち続けた。
“真天空・落下薔薇”、“ローズシャリオ”、“ローズダスト”、“最初の希望”など、撃ち続けた。
だが、入ったのはたった1発だった。

ロココ「1発入れられちゃったな、僕の負けだ。」
ジュリア「貴方の勝ちでしょ。私は“エタニティローズ”しか入ってないのよ…!」

10本以上打ったのに、と付け加える。

4日後、彼の率いる『リトル・ギガント』と、円堂の率いる『イナズマジャパン』が戦うのか、と。
ジュリアはロココを見ながらそう思った。

——イナズマジャパンは…勝てるのかしら…。


こんな強いキーパーを相手に、と。





第86話 終わり