二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.298 )
- 日時: 2011/05/07 20:15
- 名前: 薔薇結晶 (ID: CekhHc8W)
第90話 「諦めの心」
≪さぁ、イナズマジャパンボールで試合再開です!反撃なるか、イナズマジャパン!≫
≪粘り強さが持ち味ですからねぇ、イナズマジャパンは。じっくりと攻めていってほしいものです。≫
そしてまた染岡が攻める。だがドラゴが横にぴったりとついてくる。
ヒロトからのパスの要求があったため、一旦停止、その後ヒロトへパスを出す。
パスを受けたヒロトはサイドを駆け上がる。
ボールはコトアール陣のゴール前、染岡。
染岡「“ドラゴンスレイヤーV3”!!」
ロココ「“ゴッドハンドⅩ”!!」
“ゴッドハンドⅩ”によって、簡単にシュートは防がれてしまった。
ロココはマキシに向かってボールを蹴るが、風丸がカットする。
そして“風神の舞・改”でキートを抜き去る。
ヒロトにパスを出してヒロトは“流星ブレードV3”を打つが“ゴッドハンドⅩ”に止められる。
その後、シンティへのパスが通るが、飛鷹の“真空魔V3”に止められる。
佐久間へパスを出し、佐久間から豪炎寺へパスが通った。
豪炎寺「“真・爆熱スクリュー”!!」
ロココ「“ゴッドハンドⅩ”!!」
だがこれも止められてしまう。その後ロココからマキシへのパス。
鬼道を抜き去り、キートとのワンツーで吹雪と綱海も抜く。
そしてドラゴへのパスが通る。
ドラゴ「“ダブル・ジョー”!!」
円堂「“ゴッドキャッチ”!!」
だが未完成の“ゴッドキャッチ”では“ダブル・ジョー”を止める事は出来ず、入りかける。
が、円堂はゴールポストに身体を当てて得点を阻止した。
リトル・ギガントのコーナーキックで試合再開。
其処からゴーシュとユームの“デュアルストライク”がゴールを襲う。
“ゴッドキャッチ”ではやはり止められず、ゴールに入るかと思われた刹那、壁山が飛び込んでヘディングでゴールを阻止した。
マキシからのコーナーキックを綱海がヘディングでクリア。
そのボールを吹雪が抑えて前線へ送るが、ドラゴに阻止され、再度の“ダブル・ジョー”。
“ゴッドキャッチ”は虚しくも消え、成す術がない円堂。
其処へ、1つの影。
染岡だった。
“ダブル・ジョー”を腹部で受け、そのままゴールの前の円堂の元まで吹っ飛ぶようにして転がっていったのだ。
ディラン「!!」
マーク「…恐ろしい威力だな…。」
ジュリア「………。」
ジュリアは黙って試合を観ていた。
じっと、蒼く光る眼で、ひたすらに試合を観ていた。
だが、試合を観ている、と言うより、選手を観ている感じすらした。
マーク「…どうしたんだ?ジュリア。」
ジュリア「…。」
マーク「…ジュリア?」
心配になって肩を叩くマーク。
するとジュリアは驚いたように飛び上がって、目をパチパチと見開いていた。
マーク「どうしたんだ?大丈夫か?」
ジュリア「…え、えぇ…大丈夫よ。何かしら?」
マーク「いや…全然返事が無いから…。」
ジュリア「ご、ごめんなさい…。…ただ、リトル・ギガントの選手を観ていたの。」
ディラン「何か分かったのかい?」
ジュリア「…凄く、無駄のない動きをするだなぁって、思ったわ。私には程遠い感じすらした…。」
今にも何かが零れそうになる位、彼女の眼は潤んでいた。
予想通り、涙が零れた。
ジュリア「…ごめんなさいっ、ちょっと席を外すわ。」
と、チームの席から立って、走って行った。
フィディオ「ジュリア…?」
サクラ「どうしたんだろう…いつもはあんな風に泣いたりしないのに…。」
「うっ…うぅっ…っ…!!」
化粧室で、彼女は泣いていた。
——出来ない…、
——私には、あんな事…出来ない…出来るわけない…!!
最近の彼女は、自分の動きに限界を感じていた。“蒼薔薇開眼”の動きですら、満足していなかった。
自分の能力に、限界を感じていたのだ。『これ以上私に進化は無い』と。
——馬鹿みたい、本当に馬鹿みたい!!
——自分の力を試そうとして、彼らの元を離れる私は馬鹿以外の何者でもない!!
ジュリア「…もうっ…っ、諦めっ…るし、か…っ…。」
彼女が泣いている間にも試合は進んでいる。
イナズマジャパンのフィールドプレイヤーが全員ゴール前に集結している。
そしてリトル・ギガントの攻撃を全員で守る。
「円堂!!」
久遠監督が叫んだ。
そして自らの左腕を右手で力強く握った。
円堂「久遠、監督…?」
第90話 終わり