二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.311 )
日時: 2011/05/15 18:38
名前: 薔薇結晶 (ID: kx1LgPV4)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

第93話 「世界一」





ロココがGKに戻り、空いたポジションにリューが入った。

そして試合再開のホイッスルが鳴り響く。

キートが“ダブルグレネード”を放つが、円堂は“ゴッドキャッチG2”で難なくキャッチした。
そして円堂は鬼道にボールをロングパス。

「「「“ビックバン”!!!」」」

「“タマシイ・ザ・ハンド”ォォォ!!!!」


大きな赤い手は、“ビックバン”を飲み込み、炎を掻き消した。


ジュリア「ホント…この試合全然分からないわねぇ…。」
マーク「次々に進化するからな。」
ディラン「どれが入るかなんて…想像もつかないね!」


次々にボールが廻る。
フィールドを跳び回る。

ボールが外に零れた。
そんな時に、グラウンドから円堂大介の大笑いする声が聞こえた。
胸の重りを外せ、と言う声も。

フィディオ「何だ…?」
ジュリア「まさかまだ重り付けてたとでも言うのかしら?」

冗談じゃないわ、と呟きながらミルクティーを飲むジュリア。
それがそんな事言う態度か、と突っ込むマーク。
ユニコーンだけではなく、他のチームも苦笑い。

そして、その後に、変化は起きた。

ジュリア「!」
マーク「動きが良くなったな…。」

マキシが“エアライドV3”で鬼道をかわし、ゴーシュが“ヒートタックル”で壁山を抜く。
ゴーシュとユームで“デュアルストライク”を打つかと思われた次の瞬間、ゴーシュとある人物が入れ替わっていた。

ロココだった。

ゴール前から反対のゴール前まで一瞬で上がってきたと言うのだろうか。
そうだとしたら、ジュリアをも凌ぐスピードだと言えるだろう。

ジュリア「もしかしたら、さっきの円堂大介さんの…アレは色んな意味を含んでいたんでしょうね。」
マーク「…推測をたてるのが早いよな、お前は。」


「“ⅩブラストV2”—————ッッ!!!」

「“ゴッドキャッチG2”!!!」


“ゴッドキャッチG2”では完全には止められず、ゴールポストに直撃して、跳ね返った。
跳ね返ったボールはリューが拾った。“ジグザグスパーク”で壁山を抜く。
ゴール前には、ゴーシュとユーム。
まさか、またロココが、と言う疑惑が浮かんだのだろう、円堂は相手ゴールを見た。
其処には確かに、ロココが居た。
油断していた所に飛んできた“デュアルストライクV2”を、素手でキャッチする事になった。
円堂はゴールポストに体を打ち付けて、どうにか得点を阻止。
零れたボールは吹雪がクリアした。
だが、クリアしたボールをマキシがトラップした。


フィディオ「FWの時もGKの時も、ロココを軸として、ハーモニーが形成されている。イナズマジャパンは円堂が中心となっているように、ロココもリトル・ギガントを引っ張っているんだ。」

マキシがリューとのワンツーで綱海を抜くが、吹雪がマキシからボールを奪う。
ボールを拾ったリューを、鬼道とヒロトが囲むが、やわらかなループが2人の上を通った。
そのボールをキートが直接ゴールに打ち込むが、不動がクリア。

——次の1点が、決勝点だ…!!

そう言う思いが、選手たちの心にも、監督たちにもあるのだろう。

そんな時に、ロココが上がってきた。

「“ⅩブラストV2”———ッッ!!!」

ロココが打ったそのシュートは、4人を弾き飛ばし、円堂の“ゴッドキャッチG2”も貫通したが、豪炎寺と虎丸がクリアした。

其処から、リトル・ギガントの怒涛の攻撃が始まった。
ドリブルで選手を抜き去り、ゴールを幾度となく襲う。

そんな時、久遠監督が動いた。

「思いっきり、楽しんで来い!」


ジュリア「はぁ!?」
マーク「こんな時に、楽しんで来い、…か…。」


その後のイナズマジャパンのプレーは、とても楽しそうだった。
ミスをしても、笑っていた。

ジュリア「でも、楽しそうね。」

気が付けば、ボールにかすりそうになっている。
強く、なっている。

吹雪がスライディングでボールを弾いた。
ルーズボールを豪炎寺と鬼道が追いかける。

だが、2人の間に、風が吹いた気がした。

ロココが来ていた。
ロココはボールを持つや、イナズマジャパンのメンバーをごぼう抜きにし、円堂と1対1の状況を作り出す。

「“ⅩブラストV3”————————ッッッ!!!」

「はあぁぁあぁ————っっ!!!」
  「“ゴッドキャッチG3”!!!!」

そして、今までしっかり止めていなかった“Ⅹブラスト”をがっちりとキャッチした。

ジュリア「素晴らしいわね、彼らの進化は。」
マーク「急激な成長を見せるな、イナズマジャパンは…。」
フィディオ「相手の進化に、進化で対抗した…!すごいよ、守…!!」

ジュリア「! ロスタイムよ!」

ケータイの時間を見て、ジュリアが発言した。

残り少ない時間で、どちらかが取らなければ、延長戦。
どちらも、延長戦は望んでいないだろう。
ボールが次から次へとフィールドを跳び回っていく。

リューと吹雪が弾いたボールはサイドへ転がっていく。
其処でボールを拾いに来たのは、GK円堂だった。
円堂の名を呼びながら円堂を追いかけるDF4人。
マキシを鬼道とワンツーで抜き去る。

戻れと叫ぶマキシの声がフィールドに響く。
リトル・ギガントの選手が一斉に戻る。
そして、豪炎寺、虎丸と共に1つのシュート打った。

「「「“ジェットストリーム”!!」」」

ロココ、と叫ぶリトル・ギガントの選手の声が聞こえる。

「“タマシイ・ザ・ハンドG2”!!!」

一瞬、“ジェットストリーム”の威力が弱まった。

止まった。

リトル・ギガントの10人はそう思っただろう。
だが、シュートの威力は弱くなるどころか、どんどん力を増していく。

<<ズバアアァァアァアァァァンッ>>


ジュリア「ぁ…入った…!」


その後に、ホイッスルの音が鳴った。
タイタニックスタジアムに静寂が訪れた。

<<わぁあぁぁあぁっっ>>

静寂の後、タイタニックスタジアムを歓声が包んだ。
ジュリアは誰よりも早く、席を立って、パチパチと拍手を送った。
それにつられる様にしてユニコーンのメンバーや、他のチームのメンバーも立ち上がって拍手を送る。

第1回、FFI世界大会。
優勝は、イナズマジャパンとなった。



第93話 終わり