二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.314 )
日時: 2011/05/16 06:57
名前: 薔薇結晶 (ID: PAeJS2fQ)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

第94話 「3発の銃声」












「おめでとう!イナズマジャパン!」

かなり観戦客が引いて来たタイタニックスタジアムで、観客席から叫んでいるのは紛れも無く『絶対クイーン』。
その他の選手もとりあえず「おめでとう」と叫び続けている。


円堂「な、何回も言うなよ…。」
ジュリア「円堂君、貴方分かってるの?世界一の栄光を私達は讃えてるだけじゃない!」
円堂「今までお前何回おめでとうって言った!」
ジュリア「50回弱。」

と、まぁこんな風に観客席とフィールドの会話を交わしている。
そんな時に、この人物達の声がした。

「お嬢!」 「お嬢様!」

ジュリア「あっ、牡丹、雛罌粟!」
牡丹「お嬢、何をしてらっしゃるんです?」
ジュリア「栄光を讃えてるのよ?」


それから2時間ほど経過し、宿舎へ帰る事となった。

マーク「あんなに叫んで、声大丈夫か?」
ジュリア「大丈夫よ、今の所は。雛罌粟、次のバスは何分後?」

だが、隣に居る雛罌粟からの返事が無い。
もう1度雛罌粟、と呼ぶが、全く反応せず。

ジュリア「雛罌粟…?」

雛罌粟の体が動いた。
とある物体と共に。

<<ガチャッ>>

と、そんな音がした。

ジュリア「っ!?雛罌粟…っ!!?」
牡丹「雛罌粟!!お前…お嬢に銃口を向けるとは一体何のつもりだ!!」

ジュリアの前に牡丹が立つ。
ユニコーンのメンバーや、周りに居る他のチームのメンバーも、その騒ぎを見て青ざめた。

「ふふふふふっ、あはははは…アーッハッハッハ、面白いわ!面白いったらありゃしない!!」

と急に狂ったように笑い出す雛罌粟。
何が面白い、と牡丹が叫ぶと笑うのをやめる。

牡丹「雛罌粟、銃を下せ。」
雛罌粟「嫌よぉ、だって私には任務があるもの。絶対に遂行しなければならない、任務がね。」

だが、その時に牡丹はある事に気が付いたようだ。
雛罌粟の持っている、銃に。

牡丹「っ…まさか…お前…!!」
ジュリア「牡丹、どうしたの。」
牡丹「雛罌粟!お前…その銃は45口径か!!」
雛罌粟「えぇ、そうよぉ?何だっていうの。」
牡丹「まさか…山茶花と向日葵を殺したのは…!!」

「ご名答〜!この私よ。優峰山茶花、優峰向日葵、もっと遡れば優峰樹、サーリア・クラウンも私が殺したわ。」

ジュリア「…ガルシルドと絡んでるのね、雛罌粟。」
雛罌粟「お嬢様は本当に頭の回転が速い方ですから、大体予想は着いておられるのでしょう?」
ジュリア「…まさかとは思うけど…ガルシルドの、親戚関係にあるのね?」
雛罌粟「えぇ。正確に言えば、ガルシルド・ベイハンの娘です。」

その言葉に、その場が凍りついた。
あのガルシルドの娘が、20年以上前から優峰財閥に忍び込んでいたとは———!!

雛罌粟「私の任務は今日この場所で、ある人物を殺す事。その人物とは、誰か。」

「貴女ですよ、お嬢様。」


牡丹「っお嬢!!下がって!!」
雛罌粟「まぁ、序だから貴女にも死んでもらいましょ、牡丹。」

だが、それを言う前に牡丹は距離を詰めた。
拳銃を弾こうと考えたのだろう。だがその前に、太ももを撃たれた。

牡丹「ぅあっ!!」
ジュリア「牡丹!!」

雛罌粟「…さようなら、お嬢様。」

雛罌粟がそう呟いた、次の瞬間には引き金が引かれていた。
銃声。

マーク「ジュリアッッ!!」
ディラン「ジュリア——ッ!!!」

倒れる前に頭を打たないように2人はジュリアを支えた。
撃たれたのは腹部。脇腹の辺り。

マーク「ジュリア、しっかりしろ!!ジュリアッ!!」


<<ドサッ>>

誰かが倒れる音。
雛罌粟だった。

牡丹「鬼百合か…!!」

そう。狙撃手が、暗殺者を撃ち抜いたのだ。

鬼百合「牡丹っ、大丈夫か!?」
牡丹「私はいいからお嬢を!!」


サクラ「ジュリアっ…!!」
マリ「しっかりしてっ、ジュリア!!」

口々にジュリアの名を呼ぶ。

エドガーが腕を捲って傷口を抑える。
ユニコーンのメンバーは救急車を呼ぶ。

マーク「ジュリア、起きてくれっ…ジュリアッ!!」
マリ「マーク揺すっちゃダメ!!出血がひどくなるよ!!」

我に返ったようにハッとしたマークは一度呼吸を整えた。
フィディオが首の横を2本指で脈を確認する。

フィディオ「…生きてる、大丈夫だ!」
サクラ「ジュリアが死ぬわけないでしょ!!」

ガッと、マークの腕を誰かが掴む感覚が。
みんなの視点が一気に集まった。


「わた…し、は…い、…き…て………、る…わ……。」

ジュリアだった。





第94話 終わり