二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2第3章クライマックス! ( No.318 )
日時: 2011/05/16 18:15
名前: 薔薇結晶 (ID: PAeJS2fQ)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

第95話 「仲間の優しさを感じた」






マーク「ジュリアッ…!!」

薄ら開けられた蒼の瞳には、黒が混じっているようにも見えた。
力なく倒れた彼女の体からは、絶え間なく紅い液体が流れ出る。

マーク「大丈夫か!?」
ジュリア「…た、ぶ…ん……。」

正直無理かもしれない、と発音する。
お前なら大丈夫だ、とマークは返す。

サクラ「救急車はまだなのっ!?」
マリ「大体救急車っていうのは8分くらいかかるらしいよ…。」

ジュリアの金髪が紅に染まっている。
彼女の傷口を抑えているエドガーの手は彼女の血で真っ赤になっている。




スッと、右腕をあげて、マークの頬に触れる。

ジュリア「ごめ、んな…さ……い、ね…。わ、たし…の……せい、で…。」
マーク「何を言ってるんだ…俺はお前に出会って多くの物を得た。失ったものなんて、時間だけだ。」
ジュリア「ふふっ…。」

嬉しそうに微笑むと、血の滲んだ右手で、マークの顔、右目の辺りに一本の直線を引いた。
ごめんなさい、貴方の顔を汚してしまって、と言った。

マーク「何をしたんだ…?」
ジュリア「内緒の…御呪、い…。」

きっとあなたを救ってくれる日が来る、と呟いた。



それからジュリアは、話を始めた。


「私は何て幸せな人間なんでしょうね。」

「これだけ多くの仲間に助けてもらえて…。」

「愛してくれる人が居て…。」

「親友たちが居て…。」

「これだけの…素晴らしい事があるんだったら…。」


 「跡継ぎなんて、そんな地位いらなかった…。」



それを詰まらずに言い終わると、ガハッと吐血した。

マーク「ジュリアッ!!」
サクラ「無茶しちゃ駄目だよ!!」

薄ら瞳に涙を浮かべる彼女は悲しそうでありながら嬉しそうだった。


「開けてください!!」
「道を開けてください!!」

救急車が到着したようだ。
タンカに載せられたジュリアは救急車に乗せられ、ライオコット病院へと連れて行かれた。


マーク「行こう、此処からだったら走っていけるはずだ。」

マークがそう言うと、みんなは頷いて走り出した。















「そうか、だから貴女はあの世界に居なかったのか…。」
「…これで理由は明確になった。帰りましょう。」














【そろそろ、始めよう———】

【始めるには、いい機会だ】














第95話 終わり