二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2第3章クライマックス! ( No.333 )
- 日時: 2011/05/19 06:38
- 名前: 薔薇結晶 (ID: IAQru7qe)
- 参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/
第98話 「“幻獣の舞”」
一之瀬「そ…んな…!!」
アメリカ。とある病院の一室。
一之瀬の病室だった。
一之瀬は、先ほどマークとの会話を済ませたところだった。
やはり、彼も信じられないようだ。
『彼女』が死んだ事が。
一之瀬「ジュリア…何で…何で…!!」
そんな時、病室の部屋にノックの音。
どうぞ、と簡素な返事を返す。
入ってきたのは彼の長年の友人だった。
土門「よっ、一之瀬。飲みモン買って来たぜ。」
一之瀬「…ありがとう、土門。」
一之瀬の反応が弱弱しい事に気づいた土門は、「どうかしたのか?」と彼に尋ねた。
だが、本人は顔を伏せたままだ。
土門「おい、一之瀬。どうしたんだよ。俺が行ってから来るまでの10分弱の間に何があったんだ。」
一之瀬「…孰れ知る事だしな、今のうちに言っといた方がいいかな。」
土門「何だよ、それ。」
一之瀬「…お前が病室出た時に、マークに電話したんだ。……ジュリアの様子が知りたかった。」
土門「……。」
土門の表情が変わった。明らかに変化した。
どうやら彼の頭の中で、1つの推測が立ったらしい。
一之瀬「………ジュリア、死んだって。」
土門「!!」
嘘だろ、とでも言いたい様な表情だ。
自分が居たチームのメンバー、それもキャプテンが殺された。という事になる。
土門「女王様…死んだのか……!?」
一之瀬「マークも、声がいつものトーンじゃなかった。多分……泣いてたんだろうな…。」
そりゃ当然だ、と彼は思った。
彼女を誰よりも大切に、誰よりも好きでいたのは他の誰でもない、マークなのだから。
彼と彼女は本当にいつも一緒だった。彼女も彼の事が好きだったに違いない。
土門「テレビは、つけないんだな。」
一之瀬「付けたら絶対ジュリアの事しか流れてないよ。悲しくなってくるから…付けないんだ。」
土門「……だよな。女王様はアメリカの希望の星だった…。」
土門の言う事は間違いではない。
本当に期待されていたのだ。アメリカのFFで彼女が登場した時から。
「FFIに出たらきっと優勝してくれるだろう」と。
一之瀬「アメリカの血は一滴として流れてないらしいけど…、やっぱり彼女はアメリカの人間だ。」
土門「英語もペラペラだったしな。」
一之瀬「でも若干イギリス英語っぽかったけど。」
彼女はアメリカよりイギリスの方が在住している時間が長いので、それは癖だろう。
土門「にしては女王様も心配性だし、何かやたら泣くし…。可愛げあったよな。」
一之瀬「俺はジャパン戦の時にしか泣いたの見た事ないけど…。」
土門「ははっ、そっか。」
彼は最低でも3回は泣くのを見た事があるようだ。
一之瀬「…もう、ジュリアのプレーは見れないんだな…。『絶対クイーン』の…ゲームメイクも…。」
土門「でも何より心残りなのは…『アレ』が完成しなかった事だよな…。」
一之瀬「…“幻獣の舞”?」
土門「あぁ…。女王様の頭にしかビジョンが無いから…もう…。」
『完成しない』。
円堂の必殺技の『未完成』とは全く別の、未完成のまま終わる、永久に封印される技になってしまった。
土門「『5人のシュート技』なんて、コイツ何考えてるんだ、って思ったよ。」
一之瀬「でもやってみたら結構出来そうな気はしてたんだ。」
土門「…女王様、アンタはホント、すごいプレーヤーだったよ。」
一之瀬「誰もが尊敬すべき、見習うべき、師匠の様な…。」
「「俺達は絶対に君を忘れない…!」」
第98話 終わり