二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.375 )
日時: 2011/05/29 20:06
名前: 薔薇結晶 (ID: vQ/ewclL)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

第9話 「形見の技」








「つっ…!!」

マリ「あ、ご、ごめん…。」
マーク「い、いや、気にするな。続けてくれ。」

痛い痛い、と一之瀬の叫ぶ声が聞こえる。

今、オランダをキャラバンで移動中だ。
キャラバン、と言ってもイナズマキャラバンではなく、シャルソン邸の巨大キャンピングカーだ。
試合に出ていた選手の傷の手当てをして居る所なのだ。
傷にオキシドールが染みるのは当然だろう。

土門「円堂、アイツらの必殺技、どうだった?」
円堂「…骨が折れるかと思った。それくらい、重かったし、速かった。」
テレス「正直言って、シュートが速過ぎて見えなかったぜ。」
ディラン「テレスがそう言うなら相当だね…。」
テレス「“ユニコーンブースト”より止めにくそうだしな。」
マーク「嫌味か?」

鬼道「恐らく、新しい必殺技を習得する必要があるな。」
不動「だな。特に…。」

『フィールドチェンジ』を。
“空間の必殺技”と『緑の狩人』が例えた、それを。

ヒデナカタ「…“空間の必殺技”、想像の世界、か。」
アンジェロ「難しそうだね…。」
フィディオ「あぁ。でも、特訓する必要はあるな。」

円堂「よし、特訓だ!!」
豪炎寺「そうだな。」
一之瀬「ははっ、懐かしいな。円堂のそのセリフ聞くの。」
土門「だな。」











着いた場所は先ほどの街の隣町。
此処はまだ被害が無い。
グラウンドを見つけて、特訓を開始した。

吹雪「僕は、『フィールドチェンジ』をやってみるよ。」
風丸「いきなりか?」
吹雪「何となく、出来る気がするんだ。僕、想像の世界って、嫌いじゃないから。」


吹雪は、『緑の狩人』の試合の時の、自分のポジションに立つ。
そして、穏やかなその瞳をゆっくり閉じた。

一之瀬「吹雪は『フィールドチェンジ』に挑戦か。」
風丸「出来そう、らしい。」
土門「おぉ、それは期待できるな。」


「「っ!!?」」

マークとディランは、冷気を感じた。
そんなに寒い訳ではない。なのに、強烈な冷気を感じたのだ。

そして、景色が一変した。
氷の世界が広がった。

風丸「…!!」
土門「ま、マジでやりやがった…。」

吹雪「…結構上手くいくんだね、コレ。僕の頭のイメージそのものだよ。」

豪炎寺「吹雪の奴、もう『フィールドチェンジ』を習得したか。」
円堂「何か、“エターナルブリザード”って感じだもんな、コレ。」
一之瀬「もしくは“アイスグランド”。」
鬼道「そのまたもしくは“スノーエンジェル”。」
一之瀬「でもガゼルの“ノーザンインパクト”って感じもするけど。」
虎丸「何ですか?ソレ。」

フィディオ「…イメージがあれば結構上手くいくのか。」
アンジェロ「イメージ、かぁ…。」

マーク「…そうだ、若干忘れかけてたが。」
ディラン「マーク?」
マーク「俺は忘れずに、“アレ”をやったんだ。お前、やったか?」
ディラン「何を?」
マーク「…忘れてるんだな、2年の間に。」

「円堂!」

円堂「ん?マーク?」
マーク「すまない、少し手伝ってくれないか?」
円堂「何を?」
マーク「シュートを止めてくれるだけでいい。」
円堂「分かった!」

そして、円堂はゴール前に立つ。
マークはディランにボールを貰い、ゴール前に立つ。

円堂「いいぞ!」
マーク「上手くいくかは知らないけどな。」

ポォン、とボールを真上に蹴りあげる。
メンバーの全員がその様子を見ていた。
そして、ボールに気を溜め込む。

ディラン「あっ!!…ミーは完全に忘れてたよ。」
一之瀬「…俺も。せっかく教えてもらってたのに…。」
土門「どうした?何を忘れたんだ?」

豪炎寺「…まさか…。」
吹雪「多分そのまさかだと思うよ。2年前もやってたしね。」


様々な憶測が飛び交う中、マークが放ったその1発。

「“木星”!!!」

『緑の狩人』のFW、リオン・グリーンローズが放った、アレだった。
いきなり過ぎて、円堂は慌てる。

円堂「え、ちょっ…!?…“ゴッドキャッチG5”ッ!!!」


だが、“ゴッドキャッチG5”は発動に成功した。
そして、『緑の狩人』戦の時の様に、ゴールに突き刺さった。

すたん、とマークは着地。

土門「…女王様の“コピー・ローズ・アイ”か。形見の技って感じだな。」
マーク「あぁ、ギリギリ発動できたんだ。」
ディラン「ミーは忘れてたよ…!」
一之瀬「俺も。本物はコピーし損ねたけど、マークのはコピーした。」

あ、と。ディランは、それすら忘れていたようだ。

マーク「円堂、威力はどうだった?」
円堂「すげぇよ…、本物と同じくらいだった…!!」
マーク「…だったら、成功だな。」



「ふふふふふ…成功出来るのは今のうちよ。」

と、ソレを見ていた1人の人物が、笑っていたのは、彼らも知らなかった。






第9話 終わり