二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.383 )
- 日時: 2011/05/30 18:03
- 名前: 薔薇結晶 (ID: OcUNQWvQ)
- 参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/
第11話 「もう1人の姫」
フィディオ「…タイ、か。」
アンジェロ「遠いね。アジアの方でしょ?タイって。」
キャンピングカーの中で話しているリトル・クラウンのメンバー。
サクラを救うために、タイへ向かう訳だが。
メンバー達の中では1つの疑問が過っていた。
「『緑の狩人』にも完敗したのに、それよりも強い『桃色の催眠術師』に勝てるのか?」
普通に考えれば、絶対に不可能だ。
だが、不可能は可能に変えられる。
それを信じて、戦うのだ。
シャルソン「そろそろ空港だ、降りる準備をしておけ。」
「はい!」と大きな声で返す選手達。だが、とても元気があるとは言えなかった。
タイ。
リトル・クラウンが着いたその場所はまだ何の被害も無かった。
『緑の狩人』に植物を奪われていない。
『黒の騎士』に闇を奪われていない。
『白の将軍』に光を奪われていない。
『黄色の姫君』に雷を奪われ、電撃を浴びせられたわけではない。
『紅の国王』に炎も奪われていない。
だが、リトル・クラウンが負けてしまったら、この街は『永久の眠り』に着くのだ。
命が消えるわけではなく、ずっと眠ったまま。
何もかもが、そうなってしまうのだ。
「待ってたよ、フィディオ。」
フィディオ「えっ…!?」
アンジェロ「あッ!?」
「「サクラ!?」」
そして、『お姫様』が現れた。
彼女を取り戻すために、此処まで来たのだ。
ターニャ「待ってたわ、リトル・クラウン。」
シャルソン「やはり…ターニャ・ミーティン…!!」
ターニャ「私はターニャ・ピンクローズ。ミーティンじゃないわ。」
「さぁ、『お姫様』を賭けて、勝負をしましょう…!」
グラウンドに両チームの選手が着いた。
そして、またアレが。
グラウンドの周りに荊が絡みつき、今回は桃色の薔薇が咲き誇った。
マーク「サクラはMFか。」
鬼道「マッチアップ的には…、不動だな。」
マーク「そうだな…。…ッ!?」
ベンチに居たマークがガタッと立ち上がった。
隣に居る鬼道は「どうした」と声をかける。彼の行動の意味が分からないのだ。
「嘘だろ、」と呟くマークの言葉の意味を逸早く理解したのは後ろで立っていたディランと一之瀬だった。
一之瀬「な…ッ、どう言う事だ!?」
ディラン「Why!?何故…ッ、」
土門も理解したようだ。そしてマリも。
そして、秋が零す。
秋「…相手チームのキャプテンって…、もしかして…!」
円堂「秋?どうしたんだよ?」
土門「あぁ…アメリカ出身の『桃薔薇姫』だな…。」
マーク「メアリー!?」
ディラン「何でメアリーが…、『エレメントロスターズ』に…しかも『桃色の催眠術師』に居るんだい!?」
メアリー・ウィングス。
アメリカの『クラシックバレエの桃薔薇姫(ローズプリンセス)』。
バレエをやっている少女なら誰もが聞いた事のある名前だと言う。
だがメアリーも、スーランと同じような黒い荊の刺青の様な物が体中を覆っていた。
彼女はジュリアに出会う前からアメリカ出身であるマーク達とも知り合い、友人の仲だった。
彼らは知っていて当然の存在なのだ。
メアリー「…メアリー・ピンクローズ。私は…、世界を眠りにつかせる事が使命であり、生まれた意味。」
「…過去は捨てて、始めようよ。…この街の繁栄を賭けて、貴方達の…『お姫様』を賭けて…。」
マーク「メアリー…!?」
<<ピ————ッッ>>
メアリー「…まずは実力を見せてもらおうかな。」
そう言ってメアリーはパチン、と指を鳴らして桃色の薔薇を宙に舞わせた。
メアリー「…“薔薇雨月”。」
ハラハラと舞う薔薇の花びら。
それを気にせずにフィディオは虎丸と共に敵陣に攻め込む。
その後方には、不動とアンジェロ、アフロディが続く。
「Are you ready?Little Crown.」
メアリーが薄ら笑いながら綺麗な発音でそう言った。
『桃色の催眠術師』の一定のメンバーが、体勢を変える。
「……First!」
メアリーがそう言うと、FWのエルザが“薔薇雨月”の中に突っ込んだ。
「Second」と言うとMFのフィオナが突っ込む。
「Final!」と叫ぶとDFのキュリトが突っ込んだ。
そしてもう一度、指を鳴らすと、“薔薇雨月”が止んだ。
だが、異変が起こった。
鬼道「な…、フィディオが居ないッ!?」
メアリー「催眠術師のトリックは簡単に破れる物じゃないですよ。…Fine!」
そう言うと、花びらが巻き起こり、フィディオが現れた。
メアリーは間髪入れずに指示を出す。
メアリー「エルザ!ターニャ!!」
ターニャ「メアリーがノってきたわね。」
エルザ「いつもアレだったら問題ないけどっ。」
現在ボールはエルザがキープ。
そして目の前に居たのは、吹雪。
エルザ「…邪魔〜っ!!」
と叫ぶエルザ。だが、彼には『とっておき』があった。
先日習得したばかりの、アレだ。
吹雪「君達の好きにはさせないよ。フィールドチェンジ、“オーロラの氷結世界”!」
<<バキイィィィ>>
と、グラウンドが凍てつく音。
エルザ「…びっくり、『フィールドチェンジ』使えるんだ。」
ターニャ「さすがにこれは私も驚いた。」
「“氷雨の円環(サーキュラーレイン)”!」
そして、エルザとターニャが氷漬け状態になった。
『フィールドチェンジ』を解きながらドリブルを開始する。
エルザ「…やるね、あのDF!」
ターニャ「どうやら…メアリーの標的が決まったみたい。」
「「ご愁傷様、雪の王子様。」」
第11話 終わり
此処までで2179文字。