二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2☆必殺技・FC技募集☆ ( No.398 )
日時: 2011/06/01 06:32
名前: 薔薇結晶 (ID: QRCk5boE)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

第13話 「本気じゃない」






「吹雪——————ッッ!!!」



円堂の叫びと共に、吹雪が倒れた。
気を失ったのではない。

 ———『眠っている』

試合は一旦中止。

円堂「吹雪!吹雪ッ!!」

フィディオ「…どう言う事だ…!?」
サクラ「…知りたい?吹雪がそうなった訳。」
フィディオ「サクラ…知ってるのか…?」

当然でしょ、と笑う。
フィディオの眼はそれ以上に真剣だった。

サクラ「…アレは必殺技の副作用。“眠り姫・老婆への怒り”のね。」
フィディオ「あいつが撃ったシュートか……、えッ!?」
サクラ「受けた人物がああなる代わり…。」

フィディオが驚愕の声を上げる。
サクラが向けた視線の先に居る人物とも重なる。

エルザが膝をついている。荒い息を上げて。


サクラ「撃った方はああなる。理由は、代償として『体力』を少し持っていかれるから。」

このチームの選手は私を除いて全員使える、と付け加える。

サクラは『体力を少し持っていかれる』と言ったが、実際はそんなに少しではない。
先程まで肩で息もしていなかったエルザが、急に膝をつくまでに疲れるのだから、相当なものだ。
それほどまでに、サクラは体力がついたのだ。それが『少し』と例えられるくらいに。

フォルゼア「エルザ、大丈夫か。」
エルザ「…多分、大丈夫…。」


吹雪がベンチに運ばれ、ビヨンが入る。
試合再開。


それと共に、“眠り姫・夢中世界”が解けた。
いや、メアリーが解いた。
グラウンド上に吹雪が居ないため、“オーロラの氷結世界”も発動不可。

メアリー「さて、雪の王子様も居なくなった訳だから…、遊びましょう?」
不動「いつまでもお前らのお遊戯に構ってる暇は無ぇよッ!!」

と言って、不動がメアリーを抜く。
「…へぇ」とメアリーが関心そうに呟いて、眼で不動を追う。

そして不動は一気に選手を3人抜き。
パスを出した相手は。

不動「虎丸っ!!!」


「“真・グラディウスアーチ”ッッ!!!」

金を纏った剣はゴールを襲う。
そして。

「まだ甘い。“眠り姫・幻想蝶々”…!」

ぶわっと、紫色に輝く蝶々が飛び交う。
剣を完全に消し去る。ボールを消す。

虎丸「え…、ボールはッ!?」
リリオネ「…あっち。」

と、GKのリリオネが簡素に答える先にあったのは。


ボールがゴールの中に入っている光景だった。

不動「何だとッ!?」
虎丸「…どう言う事だ…、何で…!?」

このトリックの種。それは“眠り姫・幻想蝶々”だ。
これはGK技と言うより、ドリブル技の方が近いとも言える。

このトリックを誰よりも早く解明できたのはホルネスだった。

ホルネス「…あの技、かなり厄介だな。」
ビヨン「何が。」
ホルネス「…お前より後ろだったしな、お前は分からないだろうが…。」

『あの技はボールを移動させる技なんだ。
 それも、ゴール前のFWまで。アレを使うと、多分ワープみたいな機能が発動して、次に出てくるはFWの足元。
 それを俺にも見えないくらいの速さ、音で蹴れば完成って訳だ。』

と話した。
残念ながら止められなかったが、と付け加える。


その時に、ホイッスルが鳴った。

前半終了だ。



鬼道「…1点差か。」
マーク「何となくらしくない戦い方だな。」
鬼道「…と、言うと?」
マーク「多分『桃色の催眠術師』も、本気になれば『緑の狩人』くらいの力は出せるんじゃないか?なのに…。」
鬼道「まさか…、『本気を出していない』、それこそ本当に『お遊戯』をしていると言うのか…!?」
一之瀬「こう言う捉え方も出来ると思う。『サクラを返したい』って言う…メアリーの意志かも…。」


「どちらにせよ、『桃色の催眠術師』はまだ本気じゃない。」






第13話 終わり