二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.454 )
日時: 2011/07/25 21:02
名前: 薔薇結晶 (ID: OcUNQWvQ)
参照: http://bluerosebreak.blog.fc2.com/

第22話 「開かない鍵」







一之瀬「流石に一筋縄ではいかないか…。」
鬼道「もう少しひねりを加える必要があるな。」
一之瀬「…分かった。やるよ。」

と、一瞬笑う一之瀬。
だがすぐに真剣な顔つきになる。

一之瀬「マーク!」
マーク「どうしたんだ、カズヤ。」
一之瀬「アレ、やるか?」

一応練習も改良もしたし、と言う一之瀬。
すると、マークはすぐに頷いた。

一之瀬「ディランと…ロニージョが良いかな。」
マーク「分かった、伝えておく。」


円堂「一之瀬、何やる気なんだ?」
秋「多分、アレだと思うな。」
円堂「アレ?」
秋「だから、…(コソコソッ)だよ。」
円堂「あぁ!それか!」
秋「(何だと思ってたんだろう)」

どうやらメンバーは大体何をやる気か察したらしい。
(一部分からないメンバーは他のメンバーが教えた)



スカーレット「何をやる気なんだ…?」
ジュレール「どうせ大した事は無いわ。大体予想がつくもの。」
スカーレット「…つくのか?」
ジュレール「えぇ。大体、ね。」

蒼薔薇は笑みを浮かべた。魔女の様な、妖しい笑みを。
紫薔薇はそれに少し恐怖を覚えた。



一之瀬「みんな!手筈通りでよろしく!!」

と、一之瀬がフィールド全体に呼びかける。
みんなからは、「あぁ」や「おぅ」等の声が上がる。
どうやら司令塔は一之瀬で行くようだ。

リアナ「何やっても無駄だって事がまだ分からないかなァ?」
リメリー「きっと分かりませんよ。分かるはずがない。」

嘲笑う『灰の永久戦士』。
だが、彼らの表情は真剣そのもの。
勝つ気なのだ。

リアナ「ムカつくね。そういう顔。」

「そんな顔も出来ないくらいの絶望を思い知らせてあげようか。」




ラオンからリメリアーナへボールが廻る。

リメリー「ルルーノ!」

ルルーノ・ブラックローズに。
ルルーノの前には、一之瀬だ。

2人共、互いの顔を、眼を見る。
相手の作戦を、読み取るかの如く。

ルルーノは左へ、右へ、フェイントをかける。
そして、右から抜こうとした、その時。

ボールが消えた。

ルルーノ「えっ!?」

彼女の前を、人影が通った。
翠の眼。

マーク「よしッ、追いついて来いよ!カズヤ!!」
一之瀬「当然だ!」
マーク「ディラン!ロニージョ!!」

<<ダッ>>

と、4人が一斉に駆け上がる。
マークに何人か選手が付くが、スピードで抜く。


ジュレール「…ちょっと改良してあるわね。」
スカーレット「原型があるのか?」
ジュレール「えぇ。あるわ。」

ジュレール「必殺タクティクス、“ローリングサンダー”。」



一之瀬「“ローリングサンダー”の『カウンターに弱い』面をカバーし、攻撃力はそのままに保ってる。」
マーク「当然、あの時の“ローリングサンダー”よりも、強い!!」

「「“ローリングサンダー・改”だッ!!!」」

ゴール前に、DFは居ない。
つまり、4対1の状態でシュートの連撃が襲ってくるのだ。
相手選手10人を、6人でカバー出来るのかが問題ではあるが。


リアナ「…問題ないね。」
鬼道「何だと!?」
リアナ「全くと言って問題ないね。むしろ、あんた等はラオンを見くびり過ぎだ。」
土門「4対1で決められないあいつ等じゃない。」
リアナ「じゃぁ、1つだけ言っておいてあげるけどさァ…。」

「ラオン・ホワイトローズは、『エレメントロスターズ』で1、2を争うGKだよ?」


マーク「ロニージョ!」

「“ストライクサンバ・V3”!!」

ラオン「まだまだ…。」

バシンッ、と。
“ストライクサンバ・V3”はラオンの左手で難なく止められた。
ラオンはコロコロとマークの足元にボールを転がした。

ラオン「…僕の骨を砕くくらいのシュート、打ってくださいよ。」

その言葉を聞いた瞬間。
マークの中の何かが、変化した。

無言で、ボールを真上に蹴りあげた。
宇宙の星が、無数に広がった。
茶色の斑模様の惑星が、視界に入る。

リアナ「えっ、嘘…!!」
リメリー「あっアレは…、『緑の狩人』の…ッ!?」


ジュレール「…いつまでも、貴方の中に蒼薔薇の種が在る訳じゃないのに…、分かってないわよね。」


「“木星(ザ・ジュピター)”!!!」

ラオン「そうですか。でも、たかが『緑の狩人』のシュートで僕が負けると思ったら…大間違いですね。」


「“八百万(やおよろず)の白薔薇時雨”」

真っ白な、純白の薔薇が咲き誇る。
ジュリアの深い蒼にも負けない様な、とても美しい白が。
ふわりふわりと、宙を舞う。
しゅるりと、ボールを包み込む。


ラオン「…さて、もういいですね。」

と、ラオンがポケットから何かを取り出した。
見覚えのある、アンティーク調の鍵。
白い薔薇だ。

マーク「…『鍵の番人』だったのか…!!」
ラオン「今更遅い。」

くるり、と。優雅に右手で鍵を開ける。
開けた。はずだった。

ラオン「ッ!?」
リアナ「な…ッ、どう言う事っ!?」


「「扉が開かないッ!?」」






第22話 終わり