二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 私と世界の仲間達2 ( No.530 )
日時: 2011/10/26 06:15
名前: 薔薇結晶 (ID: M2SneLVI)
参照: 今週中にルアンナの詳細をブログにうpします。

第30話 「『小さな冠』VS『緑の狩人』—前半(2)」













一之瀬「2年前にジュリアに聞いたんだ。フェニックスと鳳凰の違いっていうのをね。」

まず発祥の地が違うらしいね、と一之瀬が言う。
そう。鳳凰とフェニックスを同じものと考える人も少なくはないだろう。
だが、その2つでは明らかに違う。

一之瀬「土門っ!!」
土門「おう!!風丸、来いッ!!」
風丸「はっ!?」
土門「いいから来い!!」


マーク「…確かに言われてみれば、そんなことも言ってたな…。」
ディラン「ミーも思い出したよ。属性の話も言ってたね、今なら土門の行動の意味も分かるよ。」
マーク「あぁ、俺達はその属性に当てはまらないから…止むを得ず“鳳凰信仰”が没になったわけだが。」

       「カズヤだけが当てはまってた…!!」

“鳳凰信仰”とは、ジュリアが考えていた最強必殺技の候補。
所謂、“幻獣の舞”の原型、その1部だ。
結局完成しなかった、最強の必殺技。


風丸「土門、この『フィールドチェンジ』…、面積広過ぎないか!?」

一之瀬の『フィールドチェンジ』の中の竹林を果てしなく走り続ける2人。

土門「当然だ!まず鳳凰自体が幻想の生き物なんだ、それの付加価値、…みたいなもんさ!!」
風丸「だったらなんで俺なんだ!?鳳凰って言ったら属性的には『火』だろ!!」
土門「それは間違いだ!鳳凰っていうとフェニックスとか朱雀と結び付けられてそんなイメージついてるけどな!!」
風丸「え…じゃあ俺を案内してる理由ってまさか…!!」
土門「あぁ!!鳳凰の元々の属性っつーのは、『風』なんだよッ!!」


ザアァアァァァアァ…

風丸「ッ!!」
土門「行けっ、鳳凰はお前の味方だ!!」

長い長い竹林を抜け、辿り着いた、鳳凰の祭壇。
梧桐の祭壇の彫刻が全く持って美しかった。
祭壇の階段を勢いよく駆け上がる。


スーラン「ケイン!!」
ケイン「…あぁ!!」

スーランがアイコンタクトでケインに指示をだし、1人で攻め上がってくる風丸に向かって走っていく。
だが、それを『リトル・クラウン』のFW陣が行かせない。

<<ダンッ>>

跳んだ。風丸では有り得ない跳躍で。
これに、本人が一番驚いている。

一之瀬「虎丸!!頼んだッ!!!」
虎丸「はい!!、行きますよ!風丸さんっ!!」

虎丸が中学3年の頃の豪炎寺並み、もしくはそれ以上のキック力全開で、風丸に強い、強いパス。
信念の、パス。
空中、丁度トップの所でパスを受け取った風丸は、向きを変えて、在る限りの力をシュートにぶつけた。


——力が欲しい…!!

———悪の為じゃない、善の為の力が…!

         —世界を救う、力が欲しい!!—

その思いは、風丸のシュートを強くした。
一度悪に堕ちた、だから堕ちる苦しみは知ってる。


——もう誰にも、悪に成って欲しくない!

それは、彼の本気の想いだった。


ボールと、風丸の右足の接点から、風が生み出される。
その風はみるみると形を変え、やがて鳳凰を形成した。

「行けェ——————ッッ!!!」


『緑の狩人』GK、シャレニア・グリーンローズ。


「“翠緑の神風弓(すいりょくのウィングアロー)”!!!」

風VS風。

鳳凰の、勝ちだった。



ゴールネットにボールが勢いよく突き刺さる音。


「やった———ッッ!!」

と、メンバーから歓喜の声が上がる。
『エレメントロスターズ』から、初めて点を取った。

一之瀬「よしッ!!」
土門「やったな、一之瀬!」
一之瀬「あぁ!!」





その瞬間、前半終了を告げるホイッスルが鳴った。








第30話 終わり