二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケモン right and darkness story ( No.119 )
- 日時: 2011/02/13 23:18
- 名前: のーむ (ID: YnXlFcJ5)
第20話
零たちは今、アサギシティから数十キロの島に来ていた。
零が捕まえたシャドーの戦闘員から、この島にシェリーが捕らわれている事を聞きだしたのだ。
「さて、島に着いたが…。」
島には深い森があり、探すのはかなり難しそうだった。
「これからどうするの?」
「…日が沈むまでに探したほうがいい。夜の森は危険だからな…。」
「よし、なるべくバラバラにならないように森を調べるぞ。」
三人は森の中へと足を踏み入れた。
島に着いてから4時間が経過し、辺りはすっかり暗くなってしまった。
「もうすっかり日もおちちゃったね…。」
「…今日はここまでにしておいた方がいいな…。」
「そうだな…今日はここで野宿するか。」
「じゃあ私、ご飯の用意するね!」
文奈はそう言って、持ってきていた鍋を持って行ってしまった。どうやら水を汲みに行くようだ。
二人きりになってしまった零と烈だったが、一つの異変に気づいていた。
「なあ、さっきから人どころかポケモンの気配が全くといっていいほど無いと思わないか…?」
「…ああ。どうにも静か過ぎる。」
「これだけの環境だ。ポケモンが住んでないはずがない。考えられるとすれば…。」
「…この島に連中がいて、根こそぎ島のポケモン達を奪っていった…って所だろうな…。」
「…今考えても仕方ないだろう。今日は休んで、明日また探すしかない…。」
そう言って烈は自分の分のテントを張る準備を始めた。
零は、
「シェリー、無事なんだろうな…。」
シェリーの身を案じていた。
「お!今日はカレーか!」
零は鍋の中にあるものを見て子供のような目をして喜んだ。
「うん。零ってホントにカレー好きだよね。」
「おうともさ!いっただっきまーす!」
零は既にカレーにがっついていた。
「…もう少し静かに食べろ…。」
烈はあまりの豹変振りに呆然としていたが、すぐに自分のペースを取り戻した。
「零ってカレーを見ると性格が変わっちゃうくらいカレーが好きなの。だから気にせず食べて。」
「…。」
文奈は「おかわりもあるからね」と言ってお玉を零に差し出す。
それを神速のごとく掴んだ零は皿にルーを載せ、また食べ始める。
「…さっきまでとまるで別人だな…。」
烈はそう漏らした。
「ふぃ〜。ごちそーさん。」
零は満腹満腹といった感じで自分の腹をさすった。
文奈は後片付けを一旦止め、
「そういえば、烈のバッグって私達のよりも大きいけど…何が入ってるの?」
今まで疑問に思っていたらしい事を烈に聞いていた。
「…。」
烈は少し考えるように黙り込んだ後、自分のバッグからあるものを取り出した。
「っ!」
「わぁ〜。」
それはポケモンのタマゴ×2だった。一つは青色の三角模様が、もう片方は赤色の三角模様が入っていた。
「何が生まれるのかな〜…。ね、零…。」
文奈が後ろを向くと、そこには零が少し怖い顔で二つのタマゴを見つめていた。
「どうしたの、零?」
「…。」
文奈が呼んでも上の空のようにタマゴを見ている零。
「零!」
「ん?どした?」
文奈が大声で呼ぶと、ようやく我に返ったのかとぼけたような声を出す。
「さっきからぼーっとしてたけど、どうしたの?」
「いや、なんでもないや。それよりも烈に聞きたいことがある…。」
零は真剣な顔で烈の方を向いた。
「お前、そのタマゴをどこで手に入れた?」
「…子供の頃、アルトマーレに行った時に拾った…。」
「そうか…。」
「ホントにどうしちゃったの?」
「…なんでもない。じゃ、俺そろそろ寝るわ。」
零はがテントに入ろうとしたその時、
ぶおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
突如物凄い風が吹き荒れ、周りの木々が揺られる。
「きゃっ!な、なんなの!?」
文奈がスカートを押さえながら叫ぶ。
「くっ…。」
「これは…暴風?しかも凄い威力だな…。」
零が冷静に技を見極める。
それから数十秒後、嵐のような風が止み、辺りに再び静寂が戻った。
「なんだったの、今の…。」
「状況からして、誰かがポケモンバトルをしているとしか考えられないな…。とにかく行ってみるぞ!」
零は風が吹いてきた方向に走っていき、文奈と烈も後に続いていった。
道中にはさっきの風の影響で散った木の葉が辺りを舞っていた。
「それにしてもさっきの風、まるで台風みたいだったよね…。一体誰が…?」
「…あの威力からして、相当の実力者だろうな…。用心しておいたほうがいい。」
「ああ…。ん、もしかしてあいつらじゃないか…?」
零たちは森をぬけ、草原地帯へと足を踏み入れる。そしてそこにいたのは…、
「ウルガモス…火炎放射…。」
「ギギギアル…破壊光線…!」
ウルガモスとギギギアルでポケモンバトルをしている、二人の少年の姿だった。
の「第20話を読んでくださりありがとうございます!」
零「また随分と間の空いた更新だな…。」
の「こっちだっていろいろと忙しいんだよ…。もうすぐ高校生活も始まるしさ。」
零「なるほどな…。では次回予告をと。
零たちを襲ったなぞの突風。それは少年のウルガモスが起こした技だった!そして敵対していたのは…!
次回もお楽しみに!」