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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.13 )
- 日時: 2011/01/04 10:28
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.09 「彼女が恋情を抱くまで後—…」
「で。何で着いて来てるのかなあ? シズちゃん」
「偶々方向が同じなだけで勘違いされる様なこと言ってんじゃねえ」
ポツリと呟くように発された亜美の言葉に青年—平和島静雄—が反応し、言い返す。
これに関しては静雄の言っていることが一番正しかった。
「…なんでこの方向なのさ」
「知らねえ。俺はプリン買いに来ただけだ」
「バケツプリンって食べきれないよね」
「多すぎるんだよな」
どんどん会話が変な方向へとずれて行くのも、彼女たちの間では日常茶飯事だった。
二人は甘党で、結構気が合うのだが、やっぱり少し反発しあう仲だった。
「…シズちゃんってニンゲン?」
「あ? 知らね」
「ニンゲンだったら愛せないけどね」
「そうかよ」
特に興味が無い静雄は適当な返事をし、亜美はそれに怒ることも悲しむことも無く淡々と言葉を紡いでいく。
「…おなかへった」
「……」
静雄は、ワザとらしい溜息を吐けば亜美に「ちょっと待ってろ」と言い、目の前にコンビニエンスストアに入っていく。
そして、暫くして出てきた静雄は亜美にプリン&スプーンを投げた。投げた、とは言え静雄は落とした様な感覚なのだが。
「ありがと」
「ついで、だ。ついで」
もふもふ、とプリンを頬張りつつ亜美の頬が少し緩む。
「シズちゃんの好感度、上がった」
「そりゃどうも」
彼女の中で平和島静雄、という人物の何かが変わった。
それを彼女は、「恋情」だと知らない。
(彼女が恋情を抱くまで後)(00秒)
(彼女が恋情を知るまで後)(—……)
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