二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 名探偵コナン【序章PARTⅡ UP!!】 ( No.5 )
日時: 2011/01/06 20:53
名前: 朱鳥 (ID: Q2XZsHfr)
参照: 序章 PARTⅢ

 自分の名前を叫んだ一樹——いや、真央に、蘭は微笑んだ。

「真央ちゃんかぁ〜。可愛い名前ね」
「あ、ありがとう」


 真央はひきつりながらも礼を言った。ちらりとコナンの方を見れば、なんとか行けた、という顔をしている。
 真央も頷くと、深いため息をついた。というか「一ノ瀬 真央」なんて、よくもとっさに考えれたと一樹……真央は思った。

「そうじゃ蘭君!! すまんが君の家で、しばらくその子達を預かってくれんか」


 阿笠博士が言った瞬間、コナンと真央は阿笠博士に飛びついていた。

「じょーだんじゃない!!」
「アンッタ阿笠博士!! ふざけてるムゴッッ!!」


 慌てて阿笠博士がコナンと真央の口をふさぐ。


「コナンの両親は事故にあって、真央の両親は仕事で海外に出ているんじゃ。世話を見てくれと頼まれたんじゃが、何せよ男の1人暮らしじゃから……」
「いいけど。お父さんに相談してみないと」
「そうかそうか!! 引き受けてくれるか! よかったなぁコナン、真央」


 コナンと真央は阿笠博士の口止めから逃れると、小声で阿笠博士に呟いた。

「……もし正体ばれたらどうするんだよ……」
「私も……。蘭と凛は結構仲良し何だから……。私も凛に情報入ったらどうなるか……」


「君達が元の姿に戻る為にはまず薬を使った黒ずくめの男を捜さにゃならんだろ。蘭君の家は探偵事務所じゃ」


 毛利 蘭。その父親は、毛利 小五郎(もうり こごろう)。探偵事務所を務めている人物だ。だけどとんでもなくだらしなく、依頼もあまり入ってこないと蘭が言っていたのを思い出す。……がしかし。
 コナンと真央の顔が明るくなった。


「やつらの情報が入ってくるかもしれない……!!」


 コナン、真央、阿笠博士は、同時に頷いた。


      *  *  *


 コナンと真央は、蘭と手をつなぎながら、毛利探偵事務所もうりたんていじむしょへと向かっていた。そんな時、ふと蘭がこぼした言葉。


「ねぇ、コナン君、真央ちゃん。好きな子いる??」
「えぇあいあ……いい、いないよそんな子……」

 コナンが焦りながら言う。蘭は微笑んだ。


「真央ちゃんは?」
「……男の子じゃない、大好きな子だったらいる……って言うか、いた」
「へぇー。親友、ってやつね」

 こくりと真央は頷いた。親友。……凛だ。
 辛い時も楽しい時も、共に笑ってきた大好きな子。1度は絶交しかけたこともあったけど、それも思い出だ。凛の笑顔が、凛の話す物語が、一樹は何よりも好きだったのだ。


「蘭姉ちゃんはいるの?」
「……いるよ」


 真央はまさかと思い、にやけながら聞いてみる。

「それって、さっき探してた新一……じゃなかった。新一兄ちゃんの事??」


 コナンがぎょっとしているのが見えた。真央はクスリと笑う。
 コナンは真っ赤になりながら俯いている。だけど、そんなコナンの気も知らずに、蘭はうなずいた。


「そうよ。小さいころからいじわるで、自信満々で、いじわるだけど、いざという時頼りになって、格好良くて。私新一が、だーい好き」

 ボフンッとコナンが爆発しているのが真央には分かった。


「あ、でも新一には内緒だよ??」
「う、うん……」
「わかった(もう言ってるよ………)」


 その時、プルルルルルと携帯が鳴った。蘭と真っ赤なコナンは真央の方を見つめた。
 真央は手を離し、物陰に隠れて電話に出る。


「もしもし??」
『ずき……一樹……? ど、どこにいるの……??』

 弱々しい、凛の声。真央—いや、この場合は一樹。一樹は目を丸くした。
 なるべく声を一樹にしているが、やはり幼児の時の声だ。一樹はそれも交えてため息をついた。


「凛? ……泣いてるの?」
『って……だって……!! 一樹の家に行ったのに誰もいないんだもん。かず……一樹ぃ……! もど……戻ってきて……!! どこにいんのよ……!!』


 ———聞きたくない。
 本気で一樹はそう思った。こんな苦しい凛の声なんて。でも、こんな声を出させているのは一樹なのだ。こんな姿になった自分が、凛を苦しめている。戻らない自分が、凛に姿を見せない自分が苦しめているのだ。


「………ごめんね、凛。今は戻れないや。だから……待ってて? こうして電話してくれたら……いいから」
『っ……一樹……!! 私達……ずっと親友だよね??』

「………ったり前じゃん。ふざけちゃだめだよ」
『かった……よかった……!! じゃあね、かず、き……。ずーーっと待ってるからね!!!』


 ブツリと電話が切れた。一樹——真央は携帯を閉じると、ため息をついた。
 そして走って蘭達の元に戻った。


(……約束は、守るからね)


 真央は笑って、夜空を見上げた。









    *


はい、やっと序章終了です。
ひっぱりすぎて申し訳ございませんでした。
なんか最後の方意味不明でしたね。
いや、女の…つか親友の友情を描きたかっt((((

それでは^^