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１話　転校生はキャラ持ち!?
「あむちー、唯世にはチョコあげるのー？」

そう聞いてきたのはやや。
『結木やや』そして、『あむちー』というのは…
あたし、『比奈森　あむ』の事。

「……バレンタイン。波乱の予感」

こう呟いたのは『真城　りま』クールなあたしのクラスメート。

「りま、ノリ悪ーい!!もっと、明るくいこーよ」

やや…。

「だって、そんな感じだもん…」

あはは…。

今は、一時間目。季節外れの転校生が来た。

「じゃあ、転校生を紹介するよぉ」

ガラガラ

「鎖月　薺君だよ。皆さーん、仲良くしてあげましょうねー」

「…鎖月薺です。よろしく…」

……いいんちょタイプだな。

「じゃあ、鎖月君の席は…ヒマ森さんの横ね〜」

「日奈森です!!」

「あ〜。ごめんごめん」

「よろしく」

「……」

無視かい!!

「あむちゃん。あむちゃん」

「何よ」

「この子、きゃら持ちだよ」

「え？じゃあ、しゅごキャラいるの?」

コクコク
あ、しゅごキャラって言うのは…なんていうんだろ?
自分のなりたい自分が妖精化したものって感じ。
まずは、ラン。この子は、元気いっぱいで運動が得意なの。
次は、ミキ。クールで、芸術系が得意。
最後に、スゥー。おっとり系で、マイペース。お料理に関してはプロ顔負け。
で…、まだしゅごキャラじゃないけど、たまごがまだあるんだ。
その子はダイヤ。まだ、あたしの心が不安定だから生まれてこないんだって。
っていうか、そういうなりたい自分つまり『しゅごキャラ』を持っている人を
『キャラ持ち』って言うんだ。
それより…

「ガーディアンに誘うの?前に、いいんちょ誘ったばっかだし…」

「そんなの関係ないよ。キャラ持ちはガーディアンに誘う約束があるじゃん!!」

「そうだね…分かった。授業が終わったら聞いてみるよ」

「それがいいですねぇ〜」

なんか、授業聞いてるのに何で頭に入ってこないのぉ〜!?

「ん〜。じゃあ、この問題は…ヒマ森さん」

「日奈森です!!」

こんな突っ込みしてる場合じゃなーい!!
どうしよぉ〜。

「あむちゃん、答えは…」

ミキが答えを教えようとする。

「待って、そんなのずるいよ。もうちょっと考えてみる」

「いい子ですぅ〜」

「う…うるさい!!」

ん〜と…わからないなぁ〜。
ここは、正直に…

「すいません…。分かりません…」

「おぉ〜。正直で良いですねぇ〜。でも、ごめんね。
　分からないのもそのはず。先生が問題間違えてましたぁ〜」

「えぇ〜」

最悪…。

「じゃ、これで一時間目を終わりまぁす」

ガラガラ　ピシャン!!
「日奈森さんすごぉい!!正直にいえるなんてカッコイイ!!」

「え？ありがと…。ちょっと、鎖月君待って!!」

ふぅ〜。やっと、逃れられた〜
何処いったんだろ〜？
教室を出たところで

「なんか用ですか?」

「あ、鎖月さん」

びっくりした〜。
心臓バクバクいってるよぉ〜。

「なんか用ですか!?」

「あのさ、しゅごキャラっている?」

保留します…。