二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼-報われなくても愛してる- ( No.2 )
日時: 2011/01/04 19:49
名前: 砒素 ◆q3OJ/GHggw (ID: OeXJRIuY)

序章「幸せはそう長くは続かないでしょう」

私があの夜、新選組に拾ってもらって(?)から丸一日。まだ皆の警戒は解けていない。
でも、その中で美嶋鏡花さんだけ私に優しく接してくれる。穏やかで冷静で、かっこよくて……。

「千鶴ちゃん、おはよう」
今も廊下ですれ違って、笑顔で挨拶してくれる。でも、こんな人もいざという時は、眉一つ動かさず人を殺せる。
そして、私が新選組に深く関わろうものなら、容赦なく私に刀を振り下ろすでしょう。
「鏡花さん、おはようございます」
鏡花さんの事を内心ちょっと悪く思ってしまった事を心中で謝りながら、鏡花さんの笑顔に笑顔で答える。

「新選組はさ、悪い奴らじゃないよ」
まだ私も少し皆の事を怖いと思っていた。でも、鏡花さんだけは違うのかな。
「怖い顔の奴らばっかりだけど、本心は善い奴だから」
そうかなぁ、と思ったけど、鏡花さんが言うなら間違いないのかもしれない。


そして、二人で雑談しながら、広間と言うには狭い広間までたどり着く。そこには、怖い顔をした皆が待っていた。
「大丈夫、大丈夫」
と私に耳打ちして、鏡花さんは土方さんの隣に座る。そして、円の中心に一人ぽつんと座らされる私。

多分、私の事情を話した方がいいのだろう。鏡花さんの瞳がそんな感じで語りかけてきそうだから。


「私は、雪村綱道の娘です……」