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その言葉で、広間がざわつく。私、何か変なこと言ったかなぁ、でも嘘をつくのも……。なんて独りで葛藤する。

「綱道さんの娘……」
少し瞳を細め呟く鏡花さん。思い当たる事があるのだろうか。父の事を知っているのなら、教えて欲しい。

「こりゃぁますます帰せないね」
にっこり笑っているのだが怖い彼は沖田総司さん。彼の冗談に聞こえない冗談には慣れそうにない。

「俺たちも、綱道さんを探してる」
真剣な面持ちで答える彼は土方歳三さん。そして、何故かバツの悪そうな顔をしている。

「じゃあ、ここに置いてあげてもいいんじゃねぇ?」
と原田佐之介さんの言葉に、藤堂平助さんと永倉新八さんが頷く。そして、藤堂さんが、

「なぁ、いいだろ? 近藤さん」
と、新選組局長・近藤勇さんに念を押してくれる。

「うむ、よかろう!」
近藤さんはあっけなく了解して下さったけど、山南敬助さんはまだちょっと……。って感じ。

「じゃ、これらか宜しく。父上探し、一緒に頑張ろう」

と、鏡花さんのにこやかな笑顔で、私の顔にも笑顔が戻る。