二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで… ( No.10 )
日時: 2011/03/23 20:58
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第7話 “ユメ”と“ゲンジツ”〜

「ねぇ、ロビン。」

「何?」

「ティルアは、何か大きい物を抱えてる気がする。」

「ここの誰もがそうじゃない。」

「違うの。過去や苦しみや、“責任”。」

「責任…」

「どっちにしても、あの子が話すまで待つしかないわ。」

「そうね…」


明け方は、皆静かで昼とは大違いだった。

一つの大きな船が、朝の靄から現れる。

「おお諜報部員よ。電伝虫が少しの間切れた以外、支障はないか。」

船から黒マントを着た小太りの男のがティルアの前に降り立った。

手をティルアの前にかざすと、一瞬ふらつくと、また顔を上げた。

「ええボス。何も。」

再び開かれたティルアの目は、ぼんやりとどこかを向き、何かに取り憑かれたかのように話している。

「フフ…そうか。では、そのまま続行しろ。」

「はい…ボス。」

黒マントの男の手には、小さな水晶が握られ、その中には、小さな“人”が、届く筈の無い声で喚いていた。

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また何時ものような静けさを取り戻したのは、昼下がりだった。

「……」

「ティルア?」
ナミが声をかけるが、ぼーっと水上を見ている。

「ティルアー!」

「わ!!は…はい!?」

驚いて振り向くと、一瞬、目の色が薄くなった気がした。

「な…何?」

「何かぼーっとしてるから。どうしたの?」

「う…ううん。何でもない。」

「そう……」

その時、突然、発砲音が轟いた。

波で船は揺れ、ティルアは驚いて発砲した方を見た。

「嘘……話と違うじゃない…!」

「話?」

すると、ティルアの体が宙に浮いた。

ティルアの体は次第に発砲した方へ動いていく。

ルフィ達は敵の方を向き、ティルアの事には気づかなかった。

やがて、船の影に隠れていた小舟に落とされ、その船も分からぬように砲撃した船へ戻っていった。

「ま…まずいぞ!引き上げろ!!」

「ざまぁみろ!!俺達は強いんだ!!」

「何だったんだ?あいつら…」

「あっ!!!」

ナミが声を上げた。

「ティルアが居ない!!」

「何でだ!?」

「あの船か…?」

「とにかく行くわよ!!」

ナミの一声で船は全速力で船へ向かった。

「(あの子があの船のスパイだったとしても、話と違うってどう言う意味…?)」

その矛盾は消えなかった。