二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ワンピース 天まで… ( No.12 )
- 日時: 2011/03/24 08:50
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第9話 抜けられない回廊〜
ティルアは、部屋を抜けると、兵士の服から鍵を取り、足枷を外した。
「なぁ、やっぱ、お前いい奴だな!」
ルフィが笑う。
ティルアは、浅い川のような通路を見つめた。
「気まぐれよ。」
ティルアは冷静な顔のまま、突き当たりの壁に立った。
「おーい!そっちは行き止まりだぞ!」
ルフィの声を背中で聞きながら、ティルアは、目を瞑ると、何かを呟き、手を当てた。
すると、壁の横に、小さな穴が開く。
「隠し扉だわ……何で知ってるの?」
「……この先を抜けたら、“船長”が居るわ。」
「(無視…)」
「おい!ちょっと待て!」
ルフィが声を上げた。
「船長は俺だ!!」
「そうね……じゃあ、“空帝”と呼ばれている人物がいる。」
「空帝……」
「しかも、“空帝”と呼ばれているのは、仮の姿だから。」
「仮の…?」
「本物も、偽者も私も見た事は無いわ。」
途端に、爆発音がした。
前にあった扉が、音を立てて崩れた。
中には、ロビンとウソップしか居なかった。
「あれ?ここが王の間の筈なのに…」
「さっきの爆発は何だ?」
「ああ…さっきな、急に爆弾が転がってきて…」
ウソップがそう話し始めた時、ティルアは気づいた。
「みんな!!ここから逃げて!!」
「何でだ!?」
「もう空帝はここ……に……」
ティルアは、最後の言葉が言えなかった。
首に、糸が巻きつき、その糸は徐々に締まっていく。
「“空帝”……!」
「何言ってんだ!?どうした!?」
「駄目だね。こんな事を言いふらされちゃ…」
声がした後、うっすらと人が現れた
空帝と呼ばれた人物だった。
「君達はこいつを仲間と思ってるらしいが、こいつは俺の船の有能なるスパイだ。逃がしはしないよ。」
「そいつは俺の仲間だ!!」
その時。
ティルアは、“空帝”と共に闇に消えた。
「消えた!!」
「おい!追うぞ!!チョッパー!」
「匂いはこっちだ!!凄いスピードだけど、追いかけられる!!」
==========================
ティルアは、声のした方を向いた。
首にはまだ糸が絡みついている。
一瞬、時が止まったかにも覚えた。
「貴……方は…!!」
「驚いた?」
「あの時の…ッ…!!」
=俺、元脱獄犯…=
「フフッ……せいぜいあがくといいさ。」
「ーーッー!!」
「悔しい?そうだろうな。俺に捕まったんだからな。ふはは……」
「!!」
涙が溢れていた。
シャボンディ諸島で会った、“あの人”。
暗闇は、さらにティルアを闇へと引き連れた。