二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで… ( No.15 )
日時: 2011/03/24 08:54
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第11話 嵐の夜〜

  =ごめんね…!本当にごめんね…!=

目の前から、優しい声がした。

老女の、しかし、暖かい声がした。


声を出そうとしたが、出せなかった。

手を見た時、自分が幼児になっている事に気づいた。

  =何をしている!!離れろ!!=

兵士の罵声がして、老女は抑えられた。
老女は必死にもがき、手を伸ばしたが、老女はどんどん遠ざかって行く。

  =リアナ…!!リアナッッ!!!=


目が覚めた。

激しい体中の痛みと、揺さぶられた感覚で目覚めた。

「…ん……」

「おーい!起きろ〜!」

眩しい朝日が当たり、目を細めた。

ルフィが揺らしているが、また眠気が襲う。

すると、蹴り飛ばされるような音がして、また反抗して、音がする。

「何しとんじゃテメェ!!」

「だって起きないからさぁ!」


罵声。

耳を塞ぎたくなった。

「……めて……」

ティルアの小さな言葉に、二人が振り返る。

「「ああ!?」」

「やめて!!!」

すると、途端に竜巻並みの突風が起こり、ルフィと、サンジがあっけなく吹き飛ばされ、海に落ちた。

海の音がして、我に返った。

「え…?あ!!」

次の瞬間、ティルアの風は、海を“割った”。

海の底が現れ、二人が見つかった。

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ティルアは船から逃れ、サニー号に乗っていた。

しかし、夜はずっと外に居たまま、寝てしまっていた。

また、夢の言葉が蘇る。

      =リアナ!!=

思い出す度、なぜか頭に靄がかかるようだった。

「能力者か!?」

足元から声がして、向くとチョッパーがいた。

「(タヌキ…)」

笑いそうになったのをこらえると、海の底を見た。

二人は、もう船に戻っていた。

「あの…ごめんね?」

「ああ…大丈夫さ。ところで…能力者か?」

ティルアは、少しうつむいた。

「まぁ…ね。」

「なんだ〜能力者か〜」

ルフィが復活すると、ティルアは、ぽつぽつと話し始めた。

あの船の物を、食べさせられた事。

今思えば、力をつけさせる為だった事。

上手く操れない事。

「でも、貴方も能力者でしょ?」

「ああ。ゴムゴムの実だ。」

「貴方を含めて、4人。」

「おお〜!何で分かった!?」

「私の風は、姿形を変える。人を調べる事も、敵船や、その人の過去を調べる事も出来るのよ。」

ティルアの周りに風が吹いた。

ティルアはクスッと笑うと、その場を立った。

「なあ、気になってたけどさ。」

ルフィが、急に声をかけた。

「この間言ってた、竜…?」

「竜石ね。」

「それ!その竜石って何だ?」

ティルアが、そっと、竜のマークに触れた。


「くだらない伝説の、名の無き勇者よ。」