二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで… ( No.20 )
日時: 2011/03/24 09:08
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第15話 王女のお遊び〜

その一時間後くらいに、レイシアの本島に来ていた。
出島の“死体の山”には驚いていたが、レイシアは、綺麗な町並みだった。

「うひょー…」

ルフィの声も、町の賑わいに消えた。
明るい色で彩られた店には、青菜屋も、珍しい店もあった。

興味をそそられた所で、皆別行動を取った。

ティルアは一人で行くつもりだったが、“武器屋に行く”と言う目的が同じ事でゾロと一緒になった。

「(あの二人、意外とお似合いかもよ〜♪)」

「(おいナミ、はぐらかすとこっちまで攻撃が及ぶぞ。)」

…その後、ウソップとナミがティルアに殺されかけた事はここでは置いておく。

「…アホ剣士…」

ティルアは、町行く中で、ぼそっと呟いた。

「おい待て。アホはねーだろ。」

「んじゃ馬鹿」

「あのなぁ…」

ティルアは、ふと、ある店に目が止まった。

輝く装飾品の中に、等身大にダイヤで掘られた人物像があった。

値段は見ずに、人物の説明書きがされていた。

「“レイシアの女神” ヒリア・フューナリア…?」

「おい。お前。」

「…何よ。てかお前は無いで「伏せろ。」」

ティルアは、空気が変わった事に気づく。

ゾロは、店外に居た人物に気がついた。
相手は、すでに銃を抜き、その銃の先を、二人に向けている。

時は一瞬、止まったかのように思えた。

「誤解ですよ。刀をしまいなさい。」

その人物を見た途端、店に居た人々はざわつき、ひざまづいた。

「…?」

「私達は、王室警備隊です。ティルア・シーヴィ様ですね?」

警備隊と名乗るその者は、ティルアに一通の手紙を渡した。

「王宮で、王女様がお待ちです。」

「王女が…?」


警備隊の手紙を渡した女性は、王女の待女だった。

王宮に入り、真っ直ぐ進むと、大きな鉄格子の扉があった。

待女はその扉の一部に触れると、簡単に開いた。

「剣士の方は、此方で。」

ゾロは別の部屋で待たされ、ティルアは一人、王座に向かった。

「よくぞ来たのぅ。愚か者よ。」

王座から声がした。

老女、しかし、若々しい声がした。

「何の用で?」

兵士は、槍を構えた。

触れた所から、段々力が抜けてきた。

「私の娘でありながら、お前は無能だった。なので…次期王女“リアナ”を、お前ではなく、この優秀な娘に与えたのだ。」

王女は、淡々と話を進めていく。
隣の王座には、それらしき可愛らしい女の子がいた。
ティルアは、全てを悟った。

「私を、殺したいと。」

「そうなのだ。」

ティルアは、それでも表情を動かさなかった。

王女が、不意に薄く笑う。

「しかしその前に、“あの一味”を、此処から逃がしたくないか?」

「……!!」

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「おいマリモ!!ティルアちゃんはどこだ!」

「うっせーな…どっかだろ。」

「お前、ティルアちゃんに何かあったらオロすからな。」

船の上では、騒ぐ声が聞こえる。

王宮を出た時、ティルアは途中から別行動をとっていたのだ。
ティルア以外は船に居た。

「全く…迷子になったらどうすんだよ…」

「お前がな。」

「カッチーン」

静かだったのがまた煩くなる。
その時、下から声がした。

「おーい!」

ティルアだった。

「ティルアちゅぁーん!!今そっちに「あのね!」」

サンジの声を遮ったのは、ティルアだった。
声が、一気に静まり返る。

「あのね、やっぱり私、ここで船を降りる。」

「!!」

「おい、どうした?急に…」

「王女に謝られたの。やっぱり王女をやってくれないかって…」

  =南ゲートから抜けられる。=

「南ゲートから抜けられるの!王女がそうしてくれるって…」

「おい!何言ってんだよ!!」

サンジを押しのけたのは、ティルアだった。

「ごめんね。私、やっぱり此処に居るよ。」

   =それが終わったら、死刑だ。=

「だから……」

ふっ、と悲しみが湧いてきた。
かすれた声で告げる。













「…助けて…」