二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ワンピース 天まで… ( No.22 )
- 日時: 2011/03/24 09:12
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
〜第17話 夢は海より深く〜
=此処は…どこ?=
暗く何も見えない真っ黒な世界で、仰向けになっている自分に問い詰めた。
ふわふわと、浮かんでいる感覚がある。
周りには、さっき見た七色の光があった。
見つめていた青い光が、近づいた。
まるで、見て欲しいかのように、どんどん近づく。
青い光には、怯えきっている少女が映っていた。鮮やかな蒼い髪をした少女だった。
=子供の時の…私……=
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「な…何をしたんだ!!」
ティルアは、“あの技”を受けてから、倒れたまま、動かない。
チョッパーは叫んでいた。
「ティルアに何をしたんだ!!」
「過去を…見せてあげてるだけよ。」
ヒリアは、薄く笑みを浮かべる。
「過去…?」
ヒリアの手からまた光は飛び散った。かなりの速さで、チョッパー目掛けて飛んで来た。
「赤色は爆破。」
ヒリアが呟くと、無色の光は赤くなった。
赤い光は、チョッパーの体にくっ付く。
すると、何かに捉えられているように、体が動かなくなった。
「“爆”」
呟くと、周りの木々は吹き飛び、地面もえぐられた。
爆発の後の音は、どさり、と鈍い音がしただけだった。
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さっきの青い光は、やがてティルアを包み込んだ。
何も無い感覚から、重力のある世界に入った。
人が行き交う中に立っていたティルアに、誰も気づいていなかった。
人も、建物も、ティルアの体をすり抜けた。
最初はぎょっとしたが、段々と、この世界が分かって来た。
=20年前のレイシア=
此処に居れば、リアナとヒリアの事も、全ての謎が解けそうだった。
そんな事を考えていたら、自然と、足が王宮に向いていた。
門番はティルアの存在には気づかなかったが、開いた門には、流石に騒然となかった。
城の中は、形状も、道も、何一つ変わってはいなかった。
王の間に入ると、奥の扉が見えた。
来た時には、王座があって見えなかった部屋だった。
中に入ると、王女、王、そして、4才位のヒリアが遠くの壁にもたれていた。
王女の腕に抱かれているのがリアナだった。
あどけない、笑い声を上げている。
「可愛い子…」
王女も笑う。周りのお世話役の人達も、怖い顔をした兵士も、赤子の前ではやわらかい笑顔だった。
ヒリアは、そんなティルアを、憎しみと怒りの籠もった目で見ていた。
その時、ふと声が聞こえた。
=あいつさえ…居なければ…=
憎悪に満ちたヒリアの声だった。
まだ声は続く。
=あいつさえ居なければ、私はお母様に好かれた…
私は、お母様とお父様、国民に全員に可愛がってもらえてたのに…=
4才の少女が、一才にも満たない妹に、これほど深い憎悪を抱いているかと思うと寒気がした。
すると、ヒリアは自分の部屋に帰っていった。
何をするのかと入ってみると、箱から、悪魔の実と、紙切れを取り出した。
細かい字で何か書いてある。
“ユメユメの実だ。
詳細は、本とかに書いてあるだろう。自分で調べろ。
ただ、これを食ったら、カナズチになる。よく考えろ”
ヒリアは本棚から一冊の本を出した。
悪魔の実の図鑑だった。
ヒリアは、もう半分の理性が興奮に変わっていた。
そして、悪魔の実を驚いて見た。
また声がする。
=これで…あの憎い奴を…=
ヒリアは、悪魔の実に食らいつく。
一口食べて、悪魔の実を置いた。
予想外にマズかったらしい。
そして、能力を確かめ始めた。
すると、ヒリアの部屋の扉が開き、リアナが入った。
「く…来るな!!」
ヒリアは叫んだ。
リアナは近づく。
「来るなって言ってんの!!」
ヒリアは、銃口をリアナに向けて、発砲した。
頬をかすっただけで済んだものの、リアナは激しい泣き声を上げた。
王女が、慌てて部屋に入り、リアナを抱える。
「リアナ…!?」
ヒリアは、また憎悪に満ちる。
ヒリアは、手から光を散らす。
その光は王女を包み、王を包み、やがてレイシア全土を包んだ。
ヒリアは、ふっと笑うと、叫んだ。
「リアナは能なしよ!私のほうが、知識もある!一才で喋れないのは、天才、王の素質が無いの!!」
勿論、一才で喋れるなど、まず有り得ない。
ヒリアは、また叫んだ。
「脳無しは、国外追放よ!」