二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで… ( No.24 )
日時: 2011/03/26 09:06
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第19話 幻想は現実になる〜

切りかかった直後、不思議な事が起きた。
剣先がブレて、その先が自分の肩を貫いたのだ。

ヒリアは、光を散らした。
その光はやがて、霧となり、徐々に形を変えていった。

「自分の技を受けた事がある?」

「…!?」

形を変えた霧は、竜の形をしていた。
驚いた。“自分の技だったから”だ。

「…蜜柑…」

風を竜の形にして、操る。
蜜柑みかんと言う名前がついていても、かなりのダメージを相手に与える攻撃だった。

「一撃必殺のこの技、受けたらどうなるかしらね。」

ヒリアが笑い声を上げると、ティルアは、持っていた剣を離し、地面に刺した。

その柄に、片足で立った。

「私は、この技の弱点を知ってる。」

そう言うと、柄から飛んだ。

竜の頭に乗ると、二つの角に手錠を押し付けた。
ガチッと音がして、二つの手錠は落ちた。

「何!?」

「だってこの竜、元々は攻撃用じゃ無かったもん。」

  =畜生…鍵をどっかに無くした。=

声が蘇った。
昔の、思い出も戻って来た。

=お前の風は、いっつも果物の匂いがするなァ。=

偽物の竜は、また霧に返った。

ティルアは、全身から風を吹かせると、その形は、偽物とは全く違う、威厳に満ちた“龍”が出来ていた。

「“どっかの海賊”が…鍵を無くしたから作ったんだっけ。」

ティルアの体は、すでに龍の上にあった。
龍は、低い唸り声と共に、ヒリアを睨む。

ヒリアはうろたえる。

「幻想なら、浸って来た。
夢なら見て、儚く散った。」

龍は、ヒリアを尻尾で跳ね上げた。
頭上高くに、ヒリアの体が高々と上がった。

「風神・天津香千あまつかぜ

竜巻のような風は、二つの刃物のような風になり、ヒリアの背中を切り裂いた。

落ちたヒリアにも、まだ微かに意識が残っていた。

「何故…とどめを刺さなかったの…」

「姉だから。」

ティルアは、純粋な笑顔を見せた。

ヒリアは、そこで気絶した。

チョッパーが駆け寄ると、ティルアの体の傷が、全て出ていた。

「こんなに傷があったのか!?」

「古傷も…全部…こんなに全力で戦ったの…初めてだから…」

チョッパーは、苦笑いすると、傷を治療し始めた。

すると、ルフィ達が帰って来た。

「おお!居たか!!」

激戦の末と言う感じでは無かった。

少しケンカを勝っただけ、と言う方が正しかった。

「海軍以外は何か消えてさ…」

「消えた…?」

ヒリアの方を、ふと振り返る。

ヒリアの姿は、もう無かった。

「……」

「とりあえず、これで一件落着?」

ティルアは、目線を下ろした。

「ねぇ…」

「何だ?」


「これで、私も仲間?」

ルフィは笑った。
皆も笑ってた。


「仲間だ!!」