二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで… ( No.25 )
日時: 2011/03/31 16:37
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第20話 “黒い龍の血を捧げろ”〜

レイシアを出ると、街中の人々にかかっていたヒリアの幻が解けていた。
兵士は“幻想”で、消えていた。

一味は、その混乱に乗じてレイシアを抜けた。

ティルアは、船から自分の故郷を眺めていた。
その表情は複雑だった。
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「宴なんて、久しぶり…」

ティルアはそっと呟いた。

サウザントサニー号は、いつになく賑やかだった。 

レイシアを抜けた日、宴を開いた。
ティルアは宴の外で静かに酒に酔っていた。

「おーい!お前が主役なんだからこっち来いよ!」

宴の中心に居たルフィとウソップが大声を出す。

ナミやチョッパーが何か言っているのが聞こえたが、酔いが覚める事は無く、眠りに落ちていった。

ルフィが近づき、ティルアをつつく。

「…寝てる。」

「疲れてたのよ。そっとしておきましょう。」

ナミが言うと、宴はお開きになり、途端に静かになった。


翌日、ティルアは酒や疲れもあって、昼の間も眠っていた。

そして同じ頃の昼、ある島に辿り着いた。
島には、遠くでも分かるくらいに木の実や作物が多かった。

島で物資の調達に行く為、ティルアはそのままで、チョッパーを船番にして、全員出掛けていった。

ティルアは、まだ寝ていた。

「熱でもあんのかな…心配だな…」

その時だった。

微かに森がざわめき、声がした。


     =黒き龍の血を捧げろ=

チョッパーは声に気づき、辺りを見渡してみたが、誰も居なかった。

そして振り返った時、また新たな事に気づいた。

「…ティルア…?」

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島を進むと在ったのは、歓楽街だった。
街並みは綺麗で、至って普通の商店街。

海賊も多く訪れる町だが、街の人々は交流的だ。

ルフィ達も、目当ての物はすぐ見つかった。

食料の買い出しの為、大きめの店に行くと、何やらポスターに人だかりが出来ていた。

    =黒き龍の公開処刑

   夜12時より開催 =

「龍…?」

ナミが声を上げた。

「この街に龍がいるのか?」

その時、ポスター横の店の店主が「知らないのかい?」と声をかけた。

「この島にはな、受け継がれる伝説があるんだがな…。伝説によると、100年に一度、体のどこかに“竜のマーク”を入れた人がいるんだよ。」

ナミはふと、“竜のマーク”に疑問を持った。

「(ティルアのマークも竜だけど…まさかね…)」

「でよお。その100年に一度がこの時期なんだが…また生け贄は見つかったからな。また100年は安泰だ。ワハハ!!」

ルフィ達は、店を後にした。

“竜のマーク”、“生け贄”。

嫌な予感がしたので、船に戻ると、そこには、倒れたチョッパーが居ただけだった。

後頭部を殴られた跡があり、気絶していた。
朦朧とする意識の中、チョッパーはルフィの足を掴んだ。

サンジがチョッパーに問いかけた。

「おいチョッパー!!ティルアちゃんは…!!」

「連れて…いがれ…た…」

声がかすれる。それでも続けた。

「ティルアが…生け贄…なんだ…!早く…助けないと…!」

「分かった。」

ルフィが、チョッパーの手を掴んだ。

「ティルアはちゃんと!取り返してくる!」