二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで…@参照200とっぱッ!@ ( No.33 )
日時: 2011/04/24 07:46
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
参照: 中学生になって、早速火傷しました!((Σ早ッ

   本の新たなページは開かれる。

  それは、読む者の好奇心だろうか。

    その場の流れだろうか。

    その好奇心や流れは時に

開いてはいけないページも開いてしまう時がある。

〜第零章 2話〜

あどけない笑い声を聞く隣で、神妙な面持ちで唸る人々が居た。

今ミュートの世話をしているのは、白い毛並みを持った、狼だった。

  ドラゴンシェアル
この竜の集う場所では、愛らしく“マリン”なんて呼ばれてる。(本当の名前はウルフ=アランドと言う犬種(?)らしい。)

叩かれても、引っ張られても、ただ舐めるだけで相手をしている。

「どうしますか?」

男の声。

ツィータは、また意見を述べる。

「でも、カリユの気持ちを受け継いだんだし…」

「でも、子供を育てるのは、一筋縄ではいかないわ。」

ツィータの意見に反論する人。
賛同する者も居たが、それでも現実がつきまとう。

子供を育てるのは、ハンパな気持ちでは育てられない。

それは、ツィータ自身がよく分かっている事だった。

     「ウウウ……………」

マリンが赤子を守るようにして低く唸る。

侵入者に対して。

「ーーー!!!」

ツィータの背筋に、冷たい物が走った。
あう、と声を上げるミュート。

侵入者は、海軍だった。

醜く太った“豚”。
そんな感じだった。

如何にも金で動いている感を出しているような人物だった。

「ここは我等海軍の土地になった。ほれ、さっさと出ていかんか、この“違反者”共」

最後辺りの言葉を言うや否や、鉄砲をブッ放つ海軍。

ツィータは、ミュートを抱えた。

腕や背中に弾が当たり、膝をつきそうになる。

    この子だけは、絶対に!!

  何が何でも守り抜いて見せるッ!!

無情にも響き渡る砲弾の音。

ミュートは、大きな泣き声を上げる。

   ミュート!貴方はカリユの子!

    でも、カリユは居ない!

    ・・・・・・・・・
    私も直に居なくなる!!

    でも貴方は私の、カリユのー

     タイセツな子だから!!

 =もし、“ルーテリオンとして生きられなかったら…”=

ツィータは走った。

己の非力さを恨んだ。
もし力が在ったものなら…

その願いも消える。

海が目の前に現れた。
海軍は、もう後ろにいる。

どうやら目的は、ミュートらしかった。

  =まだ沢山名前はあるのよ♪=

  =ちょっと…=

   =そして、いいと感じた二つ!=

     =二つ?=

ツィータは海岸に筏を見つけた。
やがて、大雨が降り始めた。

「(カリユ!ごめん!)」

心で謝る。
そして、ミュートを筏に置き出航させた。

「ごめん…!本当にごめんね…!!」

ミュートは全身を動かし、大きく泣いていた。

「何をしている!離れろ!!」

首元に、刃物が押し付けられた。

そう言えばカリユ、リアナって言う名前も良かったって言ってたっけ…

リアナ。ミュートよりいいかも。

「リアナ!!リアナッッ!!」

そして、何も見えなくなった。


リアナは、レイシアに辿り着いていた。

筏に揺られ、それか心地良かったのか、眠っていた。

レイシアの兵士がその赤子を見つける。

「この紋章…」

兵士は、タオルに付いていた“タグ”を見た。
     
金の刺繍で=LAISIA=と書かれている。

このタオルを使うのは、レイシア、その領土の貴族のみだった筈。

兵士は慌ててその子を抱え、王宮へ急いだ。

「王妃様!王様!」

「……その子は…?」

兵士は一通り経緯を説明し、その子を渡した。

「まあ…紋章…」

「この間死んだ我が子に似ているな…」

王が言った。

名前は、“リアナ・フューナリア”。
何者かによる射殺だったらしい。

「その子が戻って来たよう…」

壁にもたれたヒリア。

そして、この事は“国家機密”として扱われ、表では“リアナ王女が生き返った”と報じられた。

そして、ヒリアの“狂言”によって、国外追放となっていた。