二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ワンピース 天まで… ( No.39 )
日時: 2011/04/30 19:57
名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)

〜第3話 ゴムと風〜

「手を刺された…!?」

ティルアは今までの事を伝え、頷いた。

帰り際に見た島には、勉強関係の施設しか無かった。
図書館は博学や図鑑のみ。病院も無い。
薬や食べ物は支給制で、それ以外の物は配られない。

子供達は朝から晩まで強制的に勉強させられる。
しくじれば、その子供はもう用無し。

こうなった原因は海軍だった。

裏で暗躍する海軍に、島を乗っ取られたのだ。
その海軍は圧倒的な権力と力を見せ、まず親を労働に出した。
子供は強制的に勉強。

そして、親に会えるのは一時も無い。

業界休みの10分を使い、学校を出て、労働している親に会いに行く。

でも、10分までに戻ら無かったら“お仕置き”。
親の働いている場所も分からないので、いつしか探す者は居なくなった。

そんな話を聞いた。
手に大きな傷を負った、名も無き少女から。

そして、海岸でみずぼらしい服を着ていた少女に会った。
幼児科の妹を持つ、12才の女子が。
少女は、悲しい瞳で言った。

    =私を、ここから出して。

    友達と遊びたいよ…………

    妹と遊びたいよ……!

     勉強は嫌ッ。

もっと遊んで、色んな世界を見たいの。

   私には夢だってあるの。=


     



「大きくなったら、お母さんになるって。」

でも、島は大きな柵で囲まれてる。
手錠もかけられ、万が一逃げ出すと、電撃が走る。



逃げられない島、隔離された社会。




永遠の苦しみを味わう、子供達。

ティルアは、立ち上がった。
脱いでいた制服を、着ていたショートパンツとキャミソールの上から着て、普段の体の大きさに戻し。
船を飛び降りた。

「ティルア……」

ナミは、気持ちを察した。

島の住民全員を、解放する。
海軍を追い払う。

ティルアは振り向いた。

「だって海賊だもん。

一国の運命をどう変えても、関係無いもん。」

ティルアは、海岸に居た。
何気なく海を見つめた時、あの言葉が蘇った。

   =この島は、貴方とも関係ある島…=

ティルアは、紋章を見た。


     “まさか…ね。”

その時、一つ本を拾った。

     〜くろいりゅうとゆうしゃ〜

これも何気なく開くと、一冊の本が落ちた。

      =技について=

その一冊の本は、“記憶の本”を読んだ時と同じような小冊子だった。

「技………について?」

ティルアは、パラパラとめくる。

その時、海岸の砂が唸った。
強い風を受けて。

「フホホ……まだ生きておったか、ティルア・シーヴイよ。」

変な笑い声を上げ、現れたのは、

豚。

「………………」

ティルアは嫌悪感を示し、立ち上がる。
そして、大きく深呼吸する。

震えるな、自分。
私には仲間が居る。

今の私は、あいつより何百倍にも強いっ!

「この島を占拠していたのは分かってたわ。今すぐこの島を解放しなさいッ!!」

「解放しろ?……私達は海軍だぞ。たかが一人の海賊がーーフベッ!!!」

横を何かが通り過ぎ、あっけなく地面にひっくり返った豚。

“伸びた腕”が戻ると、ルフィはティルアの隣に居た。

「何だ?この豚。」

ティルアは、またハァ、と溜め息をつく。

「そうよ。豚。だから、一緒に倒してくれる?」

豚は起き上がると、憎々しげに見た。

「ああ、一緒に戦ってやる!!」

強い風は収まった。
ティルアは、また一つ確信する。


































私の、今までの“黒い過去”は終わった。

幕を開けるのは、白く塗られた未来と。