二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: けいおん! Listen! 鑑定結果届きました ( No.21 )
- 日時: 2011/01/16 21:51
- 名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)
9 澪side
部活が終わり、私は律と一緒に帰っていた
昨日よりは、寒さもなく、それに合わせてか桜も既に満開だった
「綺麗だね」なんて会話をしながら歩いている
そういえば、石田は大丈夫なんだろうか
『四日間寝なかったことがあるんだ』なんて言ってたけど、どう考えたって不健康極まりないはずだ
……石田ばっかりに苦労かけていいのかな
「澪? 」
「…… 」
「……たくっもぅ 夜中には……おばけがぁ……」
キャアアアァァァァァ!!!
何、何、もう夜なのぉ!!!
「澪、考えことし過ぎ、何考えてたの? 」
「聞いてない聞いてない聞いてないのぉ!!! 」
「分かったから、あれ嘘だから…… 」
え、違うの、よかったぁ……
「で、何考えてたの? 」
「え…… 」
「また、石田? 」
そっか、やっぱり分かっちゃうよなぁ……
「石田だけにね、苦労かけていいかってこと」
「あぁ、なるほどね…… 」
律が腕組みしながら何か考えている
「じゃあ、いい方法があるんだけど…… 」
律が私の耳にあることを伝えた
竜雅side
辺りはもう真っ暗
俺は宣言通り曲の練習をしていた
帰ってきたのが7時で、それから……五時間やってるのか
「……いてっ」
指先が少し赤くなっている
つい2時間前に痛くなりだした
絆創膏貼ったところで、多分痛みは止まらないだろう
……何か、あの時の大会と似てるな
あの時も無理して、優勝と引き換えに一年間卓球が出来なくなったもんな
「はぁ…… 何か食べるかな」
俺は少し休憩と思って、ギターをソファーに置いて、冷蔵庫の中身を調べる
「……ははは、見事に何にもねぇな」
そういえば昨日、コンビニ弁当を全部食べ終えたんだっけ
今日コンビニ寄ろうと思って忘れてた
だけどコンビニ寄る時間無駄だしな……
さて、どうしたもんかな
「まぁ2日何も食べなくても大丈夫……な訳ないか」
そもそも、4日間寝たことがないと言ったけど、あれは嘘だ
皆に出してもらえるんだし、それ位しないとなという俺のただのばかな意気込みだ
もう既に、俺も眠い
「はぁ、しょうがない、コンビニ……」
ピンポーン——
玄関のチャイムだ……
時計を見ると12時半
こんな時間に……誰だ?
とにかく玄関に行ってドアを開ける
「あ、どうも初めまして! 平沢唯の妹の憂です! 」
「あ、どうも…… 何で出来る妹がボソボソ」
「? 」
「あ、いや、こっちの話」
でも、平沢の妹が、なんでこんな時間に——
「あの、これ。サンドイッチなんですけど、お姉ちゃんと、一緒に練習しに来た梓ちゃんと三人で作ったんです! 二人は練習してるから私一人で来たんですけど、よければ夜食にでも食べてください! 」
そして皿の上に入った、一人分くらいのサンドイッチを手渡される
「あ、ありがと……」
「じゃ、練習頑張って下さいね!? 」
「あ、気を付けてな」
玄関から出てペコりと頭を下げられて、帰っていった
……出来る妹だな
だけど、これどうしよう
俺、パン苦手なのにな……
俺はとりあえず貰ったサンドイッチをテーブルに置いて、これをどうするか考える
まぁ、せっかくだし食べてみ——
ピリリリリ!!
携帯が鳴った
こんな夜遅く、誰だろうと思いつつ、開いてみた
田井中からだ。『今ムギの家で練習しているよー! すごいご馳走食べたぁ! もう眠い』
……何しに行ってんだ、あいつは
まぁ、らしいっちゃらしいか
あれ、そういえば秋山は……?
今頃、どうしているんだろう……
って、何考えてるんだ、俺
ピンポーン——
また玄関からのチャイムだ
いったい、今1時なのに誰だ?
また玄関まで駆けていく
「はぃ、どなたで」
「……どう、練習頑張ってる? 」
秋山!?
つい今秋山のことについて考えていたら、本当に来た
あまりの偶然に俺も言葉に詰まった
秋山の背中にはベースが背負われている
「いった、こんな時間にどうした……? 」
ありきたりな事しか聞けなかった
ただただ、嬉しかったんだ
秋山が来てくれた事が——
「えっと…… 」
かなり秋山も言葉に詰まっていた
こんなに夜遅くに来て、誰かに襲われたら、どうする気だったんだ……?
そう考えると、かなり不安になる
「練習、一緒にしない? 」
トクン……
え、俺、どうした?
まさか、1時なのにわざわざ俺の家まで来て、練習する
そう言われると、断る理由がなくなる。まぁ最初から断る気はなかったけど
「ま、とりあえず上がって」
「うん、お邪魔します」
秋山が靴を脱ぎ、いつも俺がくつろいでいるリビングへ向かう
そういえば、成り行きで上がらせちゃったけど
……健全な男子が女子を家に入れて間違いとかないよな
NEXT……