二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: けいおん! Listen! 鑑定結果届きました ( No.22 )
- 日時: 2011/01/17 02:24
- 名前: 藍那 ◆zCS1o.kilU (ID: Nf5qxtZ9)
10 澪side
「ま、とりあえず上がって」
そう言ってくれた石田の家に入って、リビングにあったソファーに座ってみる
近くには、今度のライブで私が歌う『Don't say lagy』の紙が散らばっている
練習中だったのかな——
「それは一応出来る様になったよ」
「はい、これくらいしかないけど」と言って、お茶を出してくれた
……って
「もう出来るようになったの!? 」
「あぁ、まぁ6時間ぶっ通しでやったからな。出来ないほうがおかしいって言われそうだし」
「6時間も集中して出来るの!? 」
「俺も驚いてるよ、やれば出来るもんだよな」
本当、石田には驚かされた
なんでこんなに頑張る人なんだろう、と
……私も、頑張らなきゃ、だめだよな
「あ、石田。これ食べる? コンビニで買ったんだけど、余っちゃってさ……」
そうして出した物が、おにぎりと唐揚
喜んでくれるかな—— と思った瞬間
石田が固まった
まずい、余計なことしちゃったかも
余ったって、表現おかしかったかな——
「……美味しく頂きます!! 」
急に表情が変わり、私が持ってきたものに次々と手をつける
食べ物がなくなるまでに、そんな時間はかからなかった
「……あぁ、久々食べた! 」
そのときの石田の表情が優しそうで、可愛くて——
ついつい見惚れてしまった
「ありがとう、秋山……俺なんか付いてる? 」
「い、いや! なんでもない! 」
危な、こんなの見られたら——
私は気を取り直して、ベースを取り出す
練習しなきゃ——
キュイイィィィィン……
ベースの音が響き渡って…… あれ?
「響かない…… 」
普通、アンプに繋いでいなくても響くはずだ
なのに
もしかして、なんか私間違ったことした!?
「あ、ここ防音部屋だから、絶対に響かない仕組みにしておいたんだ」
え、そうなの? よかった、私のせいじゃなかった——
なら、大きい音出してもいいのか……
「だから、マイクで歌っても響かない」
「へぇ…… え? 」
「俺秋山が歌う曲練習してたから、一回二人だけで合わせたいんだけど……駄目か? 」
え、どうしよう
恥ずかしいよぉ……
石田が困った表情を見せた
「あ、えっと、秋山の調子の問題だから、どうせ二日後……日にち過ぎたか、明日合わせるから焦らなくてもいいし、ってか、なんかごめん…… 」
って、石田が謝ってる!?
私が悪いのに……
って、今恥ずかしがってちゃ、本番もっときついよな
「うん、分かった……マイク出して! 」
「え……ありがとう」
そうやって投げられたマイクを置いて、準備を整える
「じゃあ一回だけ、サビのところだけでいいから」
よし、頑張ろう!
マイクを手に持って
「1、2、3、4」
石田が律の代わり? に言ってくれた
ジャンジャンジャジャジャジャンと言う録音されたドラムの音が聞こえてきた
『Please don't say "You are lazy" だってほんとうはcrazy』
あ、声良く出てる——
このまま、飛ばしていこう
『白鳥達はそう 見えない所でバタ足するんです』
石田のリズムギターが響いてくる
すごく上手かった
すごい、練習したんだな——
『本能に従順忠実 翻弄も重々承知』
ここも噛まずに、何とか言えた
『前途洋々だし…… だからたまに休憩しちゃうんです』
石田のギターが鳴り終えると、腰が抜けたかのようにそのまま座り込んでしまった
「あ、大丈夫か? 」
石田が手を差し伸べる
それに甘えて掴んで立ち上がった
「秋山、声すごいな……ハスキーボイスなんて出来るんだ」
「石田もすごいよ。普通に弾けるなんて、すぐには出来ないよ」
はは、と笑った石田がクシャッと頭をかく
その仕草が可愛い、ただそれだけだけど
「じゃ、今2時だし、流石にそろそろ秋山は帰ったほうが…… 」
「いや、残るよ」
「へ? 」
かなり驚いた表情で見つめる
「石田だけに辛い思いさせるのはね。それに、ここだと防音機能があるから気にせずに練習できるし。……石田がもしよかったらの話だけど」
「……ありがとう。じゃあ続けようか」
これで、いいんだよね
ありがとう、律——
NEXT……