二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシと魔法のお店 ムーンライト魔法学校だより ( No.3 )
日時: 2011/04/26 18:28
名前: minmin (ID: BKGAQbzV)

第二話 新しい生活




「まぁいいや。
お前、新入りだから挨拶でもしてこい。」

あ…挨拶…だと!?


「じゃ、がんばれよ〜。」

大丈夫なのだろうか。
私は不安だった。

変な人がいない事を、ただただ祈ることしか出来なかった。


とりあえず、近いほうから行くことにした。



コンコン



「…?」

ノックしてみたが、反応が無かった。

中に人はいない、なんてことはないはずだ。
理由?それは、朝だからだ。

でも、朝が早い人とかもいるし…。


コンコンコンコン!



「……。」

もう一回ノックしてみたが、やはり反応が無かった。

私は冷や汗を描いた。
だんだん不安が募っていった。

コンコンコンコンコンコンコンコン!!


3回目で、やっとドアは開いた。

「なんだよ煩いな…まだ三時じゃね〜か。」
イケメン君が出てきた。
いかにも眠そうで、
寝癖であっちこっちに髪の毛が重力を無視して跳ねている。
しかし、彼は朝早くに起こされたので、
めちゃくちゃ機嫌が悪そうだった。


千秋の心の奥の声(テツさんにああ言われたから、ノックしてみたけど…。
しつこくやるんじゃなかった!
なんかイライラしているようだし…! 不良だ!うん、絶対そうだ!どうしよう!
不良だから、きっと奴隷にされるんだぁぁぁ!!!(考えすぎ)


「って言うか、お前誰。」

と、そんなことを考えていたら名前を聞かれた。

不良だし、個人情報はなるべく出してはいけないような気がしたが、
テツさんに挨拶をしとけと言われたし、同じ寮に住む仲間(?)だから言っておいた方がいいような気もしたので
少し戸惑ったが、とりあえず名乗っておくことにした。

「わ、私は千秋と申しまふっ!(いてっ、舌噛んだ…)
え、えと…寝ているところを起こしてしまって、すみませんでしたっ!」

千秋は逃げ出した!▼


「あ〜痛いっ!
舌をかんじゃった…。」

そして、私はまた不良が出ないことを祈りながら
次の扉の前へ向かった。



コンコン


「はぁ〜い。」

少し眠そうな声が聞こえた。


あの人(最初に出てきた不良君)よりかはマシだけど、
やっぱり、寝癖で髪の毛がはねていた。


こっちは良い人のようなので、私は少し安心して自己紹介をした。

彼女は、にっこり笑って簡単に自己紹介をした後、「よろしく!」と返してくれた。


「お〜い千秋!お前の家から電話だぞ!!」

テツさんが呼ぶ声が聞こえた。

二次元なのに、電話は三次元に繋がるのは何故なのか、
考えながら電話に出た。

「申し申しお電話変わりました…。『あ、千秋!今すぐ戻ってきて!話さなきゃいけないことがあるから!』

母はそう言って、電話を切った。

私はめんどうくさいと思いながら、始まりと終わりの扉という所へ向かった。



—————中略


私は、両親から魔界についての話しを聞いた後、重い荷物を持って寮へ戻ってきた。

話の内容は、魔界のことだった。
魔法学校へは、先祖代々通っていた(らしい)

私は転校することが決まって
早速荷造りを始めた…は、良かったが、
宅急便等は魔界へは届けられないため、私は思い荷物を抱えながら


「うう…ドルチェをおぶる事もできないくらい非力なのに…。」

と、独り言を言っていたら、
急に荷物が軽くなったような気がした。

振り返ってみると、のえるちゃんが荷物を運ぶのを手伝ってくれていた。

「有り難うございます…。」

私がお礼を言うと、彼女は

「困ったときはお互い様でしょ!」

と言って、笑ってくれた。


世の中にはいい人が居るんだなぁ…と、私が少し人間を見直した。



荷物を置き、家具を調え、壁紙を変え、カーペットも敷いた。
これで、大体のことは出来るだろう。

「ん?千秋、まだお金を変えてないんだ。
この世界のお金は、円でもドルでもベルでもなくて、リッチなんだよ。
後で銀行へ行って変えてもらいな。」

こんなことまで気を使ってくれるのえるちゃんって、結構優しいな…。
そう思いながら、私は出かける準備を始めた。


のえるちゃんが、壁掛け時計を見た途端、急に叫びだした。

「え…!もうこんな時間!!?
そろそろ学校行かなきゃ!じゃあね、千秋!」

そう言って、のえるちゃんは部屋を出て行った。

私を手伝ったからのえるちゃんは学校へ遅刻する…。
そう思うと、何だか自分の存在が邪魔に思えてくる。
しかし、そんなことはもう何年も前から分かっていたこと。
それに、私が死んだらお墓を造るため、どっちみち迷惑をかける事になる。
私は、これからはポジティブに生きようと、決心した。

その時、テツさんに呼ばれた。

どうやら、学校へ案内してくれるらしい。



———学校———


キーンコーンカーンコーン


朝活動開始のチャイムが鳴った。

それと同時に、席に着くのえる。

後ろの席からきた、「おせーぞ。」という声に、
のえるは「わりぃわりぃ。」と、返した。


チャイムが鳴り終わった後、先生がやって来て話し始めた。

「では、HRをはじめます。
今日は、転校生がきました。」

自己紹介をしなくてはいけない雰囲気だ。
ここは、空気を呼んで自己紹介をすることにした。

「初めまして。千秋です。
宜しくお願いします。」

その後、先生は私の席の場所を言った後、
教室から出て行った。


海斗の隣、か…。
海斗とは、一体誰なのだろうか。
のえるちゃんみたいにいい人であるといいのだが…。

そう思い、空いている席を見つけ、座った。

隣の席の人は、女子が集っていてよく分からなかった。
けれど、皆が集まっていると言うことは、いい人ということなのだろう。


そう思っていたら、急に私の周りに人が集まってきた。


「ねぇどっからきたの?アタシはビスカス。ヨロシク!」

ビスカスは、オカマだった。
オカマは悪い人しかいない!

まぁ、男の娘とかショタっ子とかは別だけど♪←

「僕はイナバ。僕のことは結構へんだと思われてるけど、
別にひどいことはしないから!代わりに、後でじっくりと…。」

イ…イナバ怖い!
ウサギの癖に!

まぁ、グロイ表現をしてくれなかったのは残念だけど。

「あたしはメグよ!ねぇね(ry」

鹿!鹿はダメ!!
転校初日から死にたくないし!

鹿煎餅あげるからこないで!あと、殺さないで!

「あのさ、あなたどこから来たの?」

「ねね、なんでこの学校へ?」

次々に質問されて戸惑う私。
その中で、私を助けてくれる心優しい人物が居た。

「はい、ストーップ!」

それは、のえるちゃんだった。

「もうすぐ先生来ちゃうよ!見つかったらどうすr「もう来ているぞー。」

皆…鈍すぎです。
まぁ、唯一気が付いている人が隣の席に居たけど。


「えっ…嘘!」

「速く戻らなきゃ!」

そういう声が口々に聞こえてくる。

優しい上、なかなか勘がいい、隣の席に座っている海斗って、一体どんな人なんだろう!
皆も席に戻ってきたし、やっと正体(?)が分かる!

そう思って横を見てみたら…
海斗とは、実は今朝会ったあの不良だった。



千秋は失望した!▼



まぁ、そんなこんなで
いろんな意味で疲れた一日となったのでした。
めでたしめでたし♪(めでたくありません