二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.122 )
日時: 2012/01/09 00:00
名前: 翡翠 (ID: SM/hU6wg)

〜緤菜〜

時が流れるのを待つ間、何もする気になれなかった私は用意されていた布団で仮眠をとることにした。
 眠気はなかったけれど、身体が疲れているのは事実でどうすることも出来ない今、休んでおいた方が得策と考えての行動だった。

布団の中へ入り、瞼を閉じる。
何も考えないように、ただ、闇へと身を委ねながら一時の休息を私は受け入れた。


——……?

眠ったはず、だった。
そのはず、なのにどうしてか私は袴姿で闇の深い森の中に一人佇んでいた。どういうこと?

よく分からない状況の中、その場に佇んでいると誰かがこちらへと歩いてくる姿が見えた。
 このままでは見つかる! そう思った私は近くに生い茂っていた茂みに姿を隠すことにした。だんだんとはっきり見えてくるその人影……息を呑みその人影が誰のものであるかを確認する。

そのとき、近づいてきていた人物が、こちらを向いた。
 目が合ったその人物は……——。





















「っ……!」

バサッ……
布団から勢いをつけて起き上がる。
そして、周囲を見回した後、あれが夢であったと気がつく。
今、のは……。
夢の中に現れた人物は、私のよく知る大切な人だった。

「麗菜……?」

そう、あれは麗菜だった、自分を櫻と言った麗菜がそこに居た。