二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.124 )
日時: 2012/01/15 18:00
名前: 勾菜 (ID: .RPx9Kok)

〜櫻〜

眠っている昌浩を傍に下ろし、自分は聖域の様子を探った。
入るのは容易ではない、それは重々承知している。
だが、この身は麗菜、という少女のもの。
ならば聖域の中には入れまいか。
幸い、こちらには昌浩もいる。
それを使えば…など考えていたらかさりと音がした気がして、ハッとしてそちら側を向く。
体の透けた緤菜がそこにいた。
どうやら、意識だけがこちらに来てしまったらしい。
だが、その意識体はそのままスッと消える。

「……何もしなくても来るかな、これは」

なんとなくだけどそんな予感がする。
そう結論付けて自身も眠りに落ちた。


***

〜青龍〜

夢を見たのだ。
あいつの夢を。
悲しそうな眼をしていた。
俺には何もできなかった。
ただ、あいつは俺の手に何かを握らせた。
あれは夢だったのだろうか?







麗菜は泣いていた。
あのときの涙は…きれいだと、そう思った。