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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.128 )
- 日時: 2012/01/20 21:52
- 名前: 勾菜 (ID: u0xvo3rP)
〜青龍〜
ごぼりと、水面に泡が上る。
ゆっくりと青龍が目を開けるとそこは水の中。
そのまま、体が浮上していく感覚があり、水面へと顔を出す。
あたりを見回せば、騰陀の姿はなく、自分より先に回復したのだと理解する。
十二神将最強との神気の差を見せつけられた気がしてすこしいらっとする。
そのまま、岸まで泳ぎ水から上がり、自身の手の中にある物を見る。
掌にはひびの入った瑠璃の勾玉が一つ。
この勾玉には見覚えがあった。
その人物は今、自分の知っている少女とは別人だ。
だが。
自分が気を失っているときに、彼女と会った。
夢だと思っていたが、この勾玉が夢ではないことを物語っていた。
「麗菜…」
そっと名前を呼び、その勾玉に口づけを落とした。
〜麗菜〜
目を開けば、いつもいる場所に戻ってきていた。
そっと胸に手を当てれば、いつも懐に入れていた勾玉がない。
あれは夢ではなかったらしい。
とくんと、温かいものが心に沁みわたるようだった。
あの場で見た彼の顔を思い出せば、不思議と不安感など消えうせた。
今も、ずっとそばにいられるような気がして安心感が胸一杯に満たした。
不思議と、緤菜のことは心配することはなかった。
騰陀がいるという、大きな安心感があるからだろうか…
そんなことを考えながら再び目を閉ざした。
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