PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.131 )
- 日時: 2012/01/22 20:07
- 名前: 翡翠 (ID: XiCwuimA)
〜緤菜〜
一頻り泣いて、私が落ち着きを取り戻すと、紅蓮は自分の姿を物の怪の……もっくんの姿へと変えた。
私としても、恥ずかしい所を見られてしまってまともに顔も見られないで居たから、もっくんの姿に変わってくれたことはとても有難かった。
この姿で接してくれた方がまだ気持ちが楽だったから……。
昌浩は現在、私の使っていた布団で寝かせている。
起きる気配はまだなくて何とも言えない状態だった。
風音さん達に話すか迷ったがもっくんの話によると風音さん達は麗菜と比古の消息を掴む為に動き回っているらしい。
そういうことなら私も手を貸したいと、そう思ったけど相変わらず結界が解ける気配はなかった。
そして、もっくんは私のことが気になって目が覚めた後、すぐに此処に来てくれたみたい。
「もっくん……有難う」
月を見上げ丸くなり目を瞑るもっくんの頭を撫でながらそんな風に呟いた。
「……」
もっくんは返事の変わりに尻尾をゆらゆらと振るだけだったけどそれが何だか可愛らしくて温かくて嬉しかった。
焦る気持ちはあるけれど、今はこの温かな一時を楽しもうと、そう思えた。
動くのはそう……再び麗菜と——櫻と対峙することになるときだと思えたから。
PR