二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.135 )
日時: 2012/01/26 00:35
名前: 翡翠 (ID: CWo1/r7X)

〜風音〜

探索を終えて聖域の戻ってきた私の脳裏に施した結界が破られる不吉な音が響いた。

「これは……緤菜の部屋から?」

結界を破ったのも緤菜だろうか。
否、違うと、直感が告げている。あの結界は相当な霊力を消費しなければ解けないような代物。それをわざわざ解いて、自らの姉を探しに出て行ったとは考え難かった。

「では、一体誰が……」

ざわめく鼓動を抑えながら彼女が居る筈の部屋へと向かった。

「……っ」

部屋の前の施してあった結界はやはり、見事なまでに破られ消えていた。既に部屋には誰も居なく、聖域の外へ向かったのは明白に分かることだった。

「風音……これは」

私と同じように探索から戻ってきた彩輝が顕現し眉根を寄せながら聞いてくる。

「何か、嫌な予感がする」

嫌な汗が拳を覆う。
この道反の聖域で再び不吉な出来事が起きるようなそんな予感が胸をざわつかせ、焦燥させた。

「探しに行くか?」

彩輝の言葉にしっかりと頷き、私達は休む間も無く、ある種の予感を抱えながら再び聖域の外へと駆け出した。