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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.142 )
- 日時: 2012/02/04 21:15
- 名前: 勾菜 (ID: ymYDaoPE)
〜櫻〜
私を見つめていたのは、前に見たときと全然違う少女だった。
全ての色彩が自分とは正反対だ。
月の光のような銀の髪
陽の光ような金の髪
鮮やかな真紅の瞳
深い蒼の瞳
「…何者だ」
内心の驚きをひた隠し、緤菜に向かって声を放つ。
「……」
相手は何も言わない。
軽いいらだちを覚えるが、それよりも珠櫻に言われたことを思い出す。
「…昌浩、こちらへ来い」
「……」
私がそう言えば、ふらりふらりと不安定な足取りでこちらへと向かってくる。
「貴様っ…」
騰蛇が地を這うような声音で私に向ける。
言葉を返そうと思ったときに、ぐらっと視界がぶれた。
「っ…」
なんだ、この感じは…
体に何かが入り込んでくる…
誰かが、私に干渉してくる。
「お前…っ」
ギッと容姿の変わった少女を睨む。
この力はあの少女に宿ったものと同じものだ。
必死にそれに抗い続ける。
「櫻…大丈夫かえ?」
その声音が私の耳に届いた。
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